血糖値を上げやすい食事 不眠症のリスクを高める?

日経Gooday

血糖値を上げやすい食品のとりすぎが不眠症の原因に?(C)happylark-123RF
血糖値を上げやすい食品のとりすぎが不眠症の原因に?(C)happylark-123RF
日経Gooday(グッデイ)

血糖値を上げやすい食事(炭水化物の多い食事)をとっている閉経女性は、不眠症のリスクが高いことが、米国で行われた研究で明らかになりました。

炭水化物の摂取過多が不眠に影響している?

不眠症は、自動車事故や、仕事の効率の低下、生活の質の低下などを引き起こすことが知られています。治療法には、認知行動療法や薬物療法がありますが、薬物療法は、認知機能の低下や転倒、昼間の疲労感などを生じさせる可能性があり、認知行動療法は、改善までに時間がかかる上に高額で、日本では広く利用できるようにはなっていません。

今回、米Columbia大学などの研究者たちは、不眠症に対するより安価で有効な介入法を見つけるために、食事と睡眠の関係に注目しました。

これまで、たんぱく質、脂肪、炭水化物のような多量栄養素、特に炭水化物の摂取と不眠症の関係について検討した研究は複数行われていますが、一貫した結果は得られていません。炭水化物の摂取量は他の栄養素に比べ多いため、「精製された炭水化物などの摂取が不眠リスクに関係するのであれば、人々の健康に及ぼす影響は小さくない」と考えた研究者たちは、食事全体のグリセミックインデックス(GI:Glycemic Index)と、グリセミックロード(GL:Glycemic Load)、および種々の炭水化物の摂取と不眠症との関係を調べることにしました。

グリセミックインデックス(GI)とは
食品に含まれる炭水化物50gを摂取したときの、血糖値の上昇の程度を示した数値。例えばGI値が「80」の食品AとGI値が「40」の食品Bでは、Aに含まれる炭水化物の方がBに含まれる炭水化物よりも血糖値上昇への影響が大きいことを示す。高GI食品に比べて低GI食品は、食後の血糖値の上昇が穏やかで、インスリンの分泌が抑制されるため、肥満や糖尿病(生活習慣が原因で起こる2型糖尿病)の発症リスクを低減できる可能性があると考えられている。

グリセミックロード(GL)とは
GI値にその食品の標準摂取量(1食分の量)当たりに含まれる炭水化物のグラム数を掛け、100で割ることによって求めた値。これによって、ある食品を一食分食べた時に、血糖値がどの程度上昇するかを推定できる。

研究対象は、米国のWomen's Health Initiative(WHI)観察研究に参加した、米コロンビア特別区在住の、社会経済的地位や人種が様々な、50~79歳の閉経女性です。参加者は、1994年9月1日から1998年12月31日までに、食物摂取頻度調査と、不眠症かどうかを調べる検査[注1]を受けました。検査により不眠症の有無が明らかになっていた女性7万7860人を対象に、不眠症であることと食事の内容の関係を検討しました。また、この時点で不眠症でなかった女性を3年間追跡して、不眠症を発症したかどうかを調べました。5万3069人について、不眠症発症の有無が明らかになりました。

[注1]  Women's Health Initiative Insomnia Rating Scale(WHIIRS); 5項目からなり、本人が知覚している不眠症の症状を評価する。今回はスコアが9以上なら不眠症とした。

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