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血糖値を上げやすい食事 不眠症のリスクを高める?

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日経Gooday(グッデイ)

血糖値を上げやすい食事(炭水化物の多い食事)をとっている閉経女性は、不眠症のリスクが高いことが、米国で行われた研究で明らかになりました。

炭水化物の摂取過多が不眠に影響している?

不眠症は、自動車事故や、仕事の効率の低下、生活の質の低下などを引き起こすことが知られています。治療法には、認知行動療法や薬物療法がありますが、薬物療法は、認知機能の低下や転倒、昼間の疲労感などを生じさせる可能性があり、認知行動療法は、改善までに時間がかかる上に高額で、日本では広く利用できるようにはなっていません。

今回、米Columbia大学などの研究者たちは、不眠症に対するより安価で有効な介入法を見つけるために、食事と睡眠の関係に注目しました。

これまで、たんぱく質、脂肪、炭水化物のような多量栄養素、特に炭水化物の摂取と不眠症の関係について検討した研究は複数行われていますが、一貫した結果は得られていません。炭水化物の摂取量は他の栄養素に比べ多いため、「精製された炭水化物などの摂取が不眠リスクに関係するのであれば、人々の健康に及ぼす影響は小さくない」と考えた研究者たちは、食事全体のグリセミックインデックス(GI:Glycemic Index)と、グリセミックロード(GL:Glycemic Load)、および種々の炭水化物の摂取と不眠症との関係を調べることにしました。

グリセミックインデックス(GI)とは
食品に含まれる炭水化物50gを摂取したときの、血糖値の上昇の程度を示した数値。例えばGI値が「80」の食品AとGI値が「40」の食品Bでは、Aに含まれる炭水化物の方がBに含まれる炭水化物よりも血糖値上昇への影響が大きいことを示す。高GI食品に比べて低GI食品は、食後の血糖値の上昇が穏やかで、インスリンの分泌が抑制されるため、肥満や糖尿病(生活習慣が原因で起こる2型糖尿病)の発症リスクを低減できる可能性があると考えられている。

グリセミックロード(GL)とは
GI値にその食品の標準摂取量(1食分の量)当たりに含まれる炭水化物のグラム数を掛け、100で割ることによって求めた値。これによって、ある食品を一食分食べた時に、血糖値がどの程度上昇するかを推定できる。

研究対象は、米国のWomen's Health Initiative(WHI)観察研究に参加した、米コロンビア特別区在住の、社会経済的地位や人種が様々な、50~79歳の閉経女性です。参加者は、1994年9月1日から1998年12月31日までに、食物摂取頻度調査と、不眠症かどうかを調べる検査[注1]を受けました。検査により不眠症の有無が明らかになっていた女性7万7860人を対象に、不眠症であることと食事の内容の関係を検討しました。また、この時点で不眠症でなかった女性を3年間追跡して、不眠症を発症したかどうかを調べました。5万3069人について、不眠症発症の有無が明らかになりました。

[注1]  Women's Health Initiative Insomnia Rating Scale(WHIIRS); 5項目からなり、本人が知覚している不眠症の症状を評価する。今回はスコアが9以上なら不眠症とした。

炭水化物の摂取と不眠症の関係に影響を及ぼす可能性がある要因として、年齢、人種、学歴、年収、1人暮らしかパートナーありか、子どもと一緒に暮らしているか、喫煙習慣、飲酒習慣、カフェイン摂取量、うつ症状の有無、運動量、BMI(体格指数)、高血圧、心筋梗塞、心血管疾患、喘息、ほてり、ホルモン補充療法、いびきなどに関する情報を収集しました。

食事のGI値は、摂取した炭水化物を含む全食品のそれぞれのGI値に対して、個々の摂取量で重み付けして求めた平均値(加重平均)としました。食事のGL値は、摂取していた、炭水化物を含む全ての食品のGL値の合計としました。

不眠症との関係を検討したのは、食事のGI値、食事のGL値と、食品に含まれる炭水化物に分類される成分(糖類、でんぷん、食物繊維)、および炭水化物を含むいくつかの食品です。GI値、GL値については、低い人から順番に一番高い人までを一列に並べて5等分し、最低のグループ(最低五分位群)と最高のグループ(最高五分位群)を比較しました。その他の成分や食品については、摂取量が一番少ない人から一番多い人までを一列に並べて5等分し、最低五分位群と最高五分位群を比較しました。

精製穀物を多くとる人は不眠症リスク上昇

検討結果は表1の通りです。

表1 研究参加時点で摂取していた食事の内容と、その時点で不眠症であるリスク/その後不眠症になるリスク

調査参加時点で不眠症であるリスクが高いことに関係していたのは、GI値が高いこと(最高五分位群の平均値は56.4)、添加された糖類の摂取量が多いこと(同80.5g)、精製された穀物の摂取量が多いこと(同5.34オンス)でした。一方、不眠症であるリスクが低いことと関係していたのは、食物繊維の摂取量が多いこと(同21.1g)、精製されていない全粒穀物の摂取量が多いこと(同2.29オンス)、果物の摂取量が多いこと(同2.74カップ)、野菜の摂取量が多いこと(同2.22カップ)でした(注:1オンス=28.35g、1カップ=236.588mL)

一方、その時点では不眠症でなかった女性が3年後までに不眠症を発症するリスクが高いことに関係していたのは、GI値が高いこと(最高五分位群56.3)、GL値が高いこと(同146.5g/日)、添加された糖類の摂取量が多いこと(同79.2g)、でんぷんの摂取量が多いこと(同119.3g)、精製穀物の摂取量が多いこと(同5.26オンス)で、不眠症になるリスクが低いことに関係していたのは、果物の摂取量が多いこと(同2.75カップ)、野菜の摂取量が多いこと(同2.21カップ)でした。

以上のことから、この研究は、高GI食は閉経女性において不眠症の危険因子であることを示しました。また、果物、野菜などは不眠症リスクを低下させる可能性が示されました。著者らは、「今後、高GI食を、全粒穀物や、食物繊維が多い炭水化物などと置き換えると、不眠症が改善するかどうか、不眠症予防になるかどうかを評価する無作為化(ランダム化)試験が必要だ」と述べています。

論文はAmerican Journal of Clinical Nutrition誌2020年2月号に掲載されています[注2]。

[注2] Gangwisch JE, et al. Am J Clin Nutr. 2020 Feb 1;111(2):429-439.

[日経Gooday2020年4月17日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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