妻の家事ルールが細かすぎる女優、美村里江さん

女優、エッセイスト。埼玉県出身。2003年、テレビドラマ「ビギナー」で主演デビュー。最近では初の歌集「たん・たんか・たん」(青土社)が好評発売中。

家事を手伝おうとしても、妻のルールが細かすぎて困ります。少しでもやり方が違うと怒られますし、「ルールを書き出してほしい」と頼むと、それも怒られます。私は一体、どうしたらいいのでしょう。(茨城県・40代・男性)

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お恥ずかしい話ですが、我が家でも過去に同じような現象が観測されておりました。「相談者さんの気持ちがよくわかる!」と夫が大いに賛同しております(笑)。

新型コロナウイルス感染拡大を受けて在宅勤務が進む中、奥様から家事分担を求められている男性も多いのでは? 奥様の気持ちや事情なども代弁しながら、私の懺悔(ざんげ)を素直に書いてみます。

私の母は専業主婦、家庭の収入は100%父に依存していました。その土壌で育った私は昭和59年生まれ。

「夫婦の約65%は共働き」「仕事も家事も男女平等へ」という現代。この時代背景に苦戦中の男性についてよく話題に上りますが、自分の過去を鑑みて思うに、女性もまだ大きく動揺中ではないかと。

まず、家事に慣れている方や上手な方は、女性が担うケースが多いと思われます。でも仕事に置き換えて考えてみてください。「一人で有能に家事をする能力」と「人と協力して家事を行う能力」は、全く別のベクトルなんです。

私の場合も、一人でやる分には順調で、初婚時はすべて私がやっていたので問題なしでした。しかし、再婚後に夫から「僕が家事に参加しようとすると妙に手厳しくなるのはなぜ?」と、何度か冷静な指摘を受けました。

私は熟考を重ね、最終的に「自分に一種の『呪い』がかかっている」と説明しました。何かというと、「昭和的な、家のことは女がやるという精神」。母の専業主婦像をもとに、手伝われる=家事が不十分=自分はダメな妻、というイメージが湧き、反射的に意固地になってしまう……。

夫がせっかく手伝おうとしてくれているのに、理不尽ですよね。どうフォローしても相手には不要な反応です。でも根底にあるのは「妻としての責任感」でした。

一度この視点で奥様を観察してみてください。妙に厳しいのに明記されないルール群は「こんなにちゃんとやってるよ!」というアピールの一種かも?

夫の柔軟な対応のおかげで、私も手伝いを純粋にありがたく感じるようになり、「ほぼ半々の家事分担」で落ち着きました。

最後に理不尽さを乗り越えた夫からの伝言です。「『手伝う』範囲なら親分に全面服従が無難。共働きは根気強く調整を。健闘を祈ります!」。


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