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丁寧な仕事積み上げる星付きイタリアン 東京・広尾

2020/5/11
パスタメニューの人気の品「黒トリュフとフォンティーナチーズのタヤリン」
パスタメニューの人気の品「黒トリュフとフォンティーナチーズのタヤリン」

15歳で料理の道に進むと決めた笹川尚平さんが、高校を出て調理師学校卒業後、修業を始めた店は中国料理の名店「竹爐(ちくろ)山房」(吉祥寺・現在は閉店)だった。「中国の食文化が大好きで、今でも中国料理が最強だと思っています」と明かすが、入店を機に上京して、休日には地元・富山ではお目にかかれない料理の数々を食べ歩くうち、イタリアの郷土料理に魅了されていった。

ほどなくして進む道を決め、本場での修業を目標に、まずは都内のイタリア料理店で修業を開始。お金がたまるや日本を旅立ち、ピエモンテ、カンパーニャ、トスカーナの3州で研さんを積んだ。帰国後は当時広尾にあったイタリアン「アロマフレスカ」に入店し、その後、麻布十番の「カーザ ヴィニタリア」で11年シェフを務めた後、2017年1月に広尾「BOTTEGA(ボッテガ)」をオープン。2018年から3年連続「ミシュランガイド東京」の1つ星に輝いている。

Summary
1.イタリア各地で修業を積んだ実力派シェフがもてなす店
2.調理の技への探究心あふれる品々は驚きの体験
3.鮮度抜群のモツの煮込みをはじめ、季節の味を楽しめるメニューも多彩

料理はコース、アラカルトともに用意。客に支持されて定番化しているメニューと、旬の恵みいっぱいの季節のメニューが中心だ。初めての客にはそのどちらをも楽しんでもらえるコースを薦めているが、遅い時間に利用する常連客は前菜とパスタなど料理は軽めで、おいしいワインに酔いしれるひとときを楽しんでいく人も多いのだとか。

店内はカウンター席がメインだがテーブル席を2卓設置。うっすらと照らされた店内は木のぬくもりと落ち着いた雰囲気に包まれている。

メニュー表には前菜、パスタ、メイン料理の数々が並ぶが、もちろん最初は前菜から。その中でもとりわけ色鮮やかなひと品が、厚めにカットしたメカジキの存在感が見事な「燻(いぶ)したメカジキと香草のカルパッチョ仕立て」。

「燻(いぶ)したメカジキと香草のカルパッチョ仕立て」

30~40分薫製したメカジキの上には、アサリのブロードとニンニクの香りをうつしたオリーブオイルでまとめたキュウリやオクラ、ディルやセルフィーユなどの香草をトッピング。周囲にちりばめられたフルーツトマトのソースと、上部のピンクペッパーは美しく呼応しているし、ちょんちょんと落とされたバジルソースも愛らしい。そしてなんといっても目を引くのが、全体をおおっている透明なシート状の素材だ。

気になるその正体はトマトに重しをかけてゆっくりと抽出したうま味成分を、海藻由来の食材で固めたもの。すべての食材をシートでくるんで一緒に食べることで、口の中にいろんな香りが広がるのが狙いなのだという。

確かに、シートでくるんで魚と野菜、香草を一緒にほおばると、口中で全体が融合し味と香りがなじんでいく。食感と食材の組み合わせともに、未知の感動を味わうことができる。

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