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子どもとつながる コロナ休校乗り切る英国家庭の知恵

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新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためのステイホーム期間が続いています。日本よりも先行してこうした取り組みを始めた世界の子どもたちはどう過ごしているのでしょう。英国在住で小5の息子と小2の娘を育てるライターのボッティング大田朋子さんが、規則正しい生活を維持するためにしている工夫や、子どもたちのオンライン学習状況について、リポートします(4月18日時点の情報に基づいています)。

疲れが見えるものの、忍耐強い国民性が発揮されている

英国では、3月20日から学校が閉鎖、医療従事者やスーパーのスタッフ、ドライバーといった社会を支える職種以外は在宅勤務が義務付けされています。「少なくともあと3週間」の外出制限の延長が発表されたばかりで、徐々にたまってきている疲労や、先が見えない不安、ストレスがまん延している感も。それでも、この困難な状態に最前線で立ち向かっている医療従事者をはじめとするキーワーカーと呼ばれる人たちへの感謝の気持ちを忘れない雰囲気が社会にしっかりとあり、忍耐強い国民性が発揮されている気がします。

規制が始まってすぐに私の頭に浮かんだのは、ある宇宙飛行士のインタビュー記事。そこには、「長い期間続く、制限のある」生活を乗り越えるコツとして「運動をする」「人とのやり取りを欠かさない」という話が紹介されていました。

その話を参考に、わが家も運動と他人とのつながりを二本柱として「規則正しい生活」を続けられるよう試みています。まず、小5の息子(10歳)と小2の娘(6歳)がいるわが家での工夫を紹介します。

●生放送を利用して規則正しい生活をサポート

ルーティンを崩さないように、毎朝9時にライブで放送されるYouTubeチャンネル「PE With Joe(ジョーと一緒に体育)」を利用、家族で朝一番に「オンライン体育の授業」に参加しています。体を動かせるというプラス面だけでなく、ライブで行われるこの番組のおかげで起床時間がずれない点が、私には最大のメリットです。

●一日一回の外出を家族で

英国では現在、同じ家に住む家族メンバーとなら一日に一回、運動のために外出してよいことになっています。目安として散歩なら1時間、サイクリング30分と言われていますが、この外出できる時間が最大の楽しみになっています。

筆者が住む村は、田園風景が広がる田舎。ソーシャルディスタンスを気にせずに外出できます。親は散歩かジョギング、子どもたちはインラインスケートを履いて近隣の村を散策することが多いですが、たまにサイクリングを組み合わせるなどして「変化」を持たせる工夫も。

●「大人は1万歩、子どもは2万歩」親子で歩数競争

昨年のクリスマスに子どもにFitbit(身に付けて歩数、移動距離、消費カロリーなどを計測する機器)をプレゼントしたのですが、家族でアカウントをつなげて親子で歩数競争をするのもよい結果を生んでいます。「大人は1万歩、子どもは2万歩」と一緒に目標を立て、代わり映えしない毎日だからこそ数字で見える達成感がモチベーションになっています。運動をして気分が上がるとともに、最近会話が減り気味だった息子とおしゃべりがはずむ絶好の機会にもなっているのは私にとってうれしい点です。

天気が良くないときは

●雨が多い国での運動プランB

奇跡的な晴天が続いていますが、とはいえここは英国。天気が良くないときは、ずっと子どもとしたかった「マインドフルネス&ヨガ」をしようと決めました。YouTubeチャンネル「Cosmic Kids Yoga」を利用して体をぐーっと伸ばしています。天候に関わらず、昼すぎから夕方といった「だれる」時間にすることもありますが、なかなか効果的です。

●曜日感覚を維持するためにおうちシアター

学校が閉鎖されて以来、英国でもいろいろな教育機関や文化施設などが教材や娯楽といったサービスをオンラインで無料提供しています。美術館や動物園もオンライン・ビジットができますし、バレエやオペラなどもオンラインで中継されていてありがたいです。

すべてを活用したい気持ちになりますが、あまりにも選択肢が多いと選ぶだけで疲れてしまうので、私は週1回だけコレ、と見る物を決めています。今のところ、金曜日の19時からのロイヤルオペラハウスのプレミアム公演を家族で楽しんでいます。曜日感覚を維持するのにも一役買ってくれています。

●疲れない程度に交流

今まで経験したことがない長い期間、家に閉じこもっているので、友達とのコミュニケーションを維持するのも大切です。しばらくは毎日誰かに電話をしたり、さみしくならないようにと2日に1回くらいはアプリを使って子どもとお友達とをつなげてあげたりしていたのですが、スクリーン漬けになり疲れました。今は親子ともに数日に一度くらいにしています。期間が長引くにつれ、「つながりたい」「つながりたくない」という気持ちにも波が出てきたので、適度なおつきあいのペースを模索中です。

●学校の取り組み

英国では学校閉鎖を受けて家庭で勉強するホームスクーリングが始まり、その後イースター休暇(春休み)に突入しました。うちの子の場合、新学期は4月22日からで、リモートワークと子どものホームラーニングの両立が本当の意味で求められるのは、これからだと思います。

「受け身のやり方では学ぶ意欲を失う」オンライン授業の懸念

子どもたちが通う私立の小学校では、前学期の最後7日間はイーラーニングが行われました。

まず小5の息子(10歳)の朝礼はオンラインでした。科目ごとに先生からビデオやボイスメッセージで説明があった後、学校サイトのファイルに入っているワークシートを印刷し、課題をこなしたらそのワークシートをスマートフォンなどで撮影して学校のサーバーにアップロードするというものでした。

先生方の工夫した授業や毎日届くボイスメッセージには感謝でしたが、一日中パソコンで作業をするので、子どももサポートする私もクタクタになりました。授業中に映像が途切れることも子どもには疲労感を生んでいたようでした。他の保護者からも「子どもがスクリーンの前に座っている時間が長くなる」「受け身のやり方では学ぶ意欲を失う」といった懸念が学校にたくさん寄せられたようで、併せて親の負担が大きいことも指摘されて、新学期からは時間割も変えて違う手法で授業を進めることが発表されました。

一番ホットな話題は「学費闘争」

小2の娘(6歳)には、学校が郵送してくれる「ワークパック」が2週間ごとに届きます。紙と鉛筆で取り組み、できた課題プリントを毎日撮影して先生にメールしています。先生が毎朝アップロードしてくれる映像授業やファイル、音読の確認、先生やクラスメートとの交流などはマイクロソフトのTeamsというアプリを使って行われます。

ちなみに、今英国のパブリックスクール(私立学校)の一番ホットな話題は「学費闘争」。子どもたちが通う学校でもオンラインになる来学期の学費が10%しか割引されなかったことに憤慨した保護者の有志たちが学校側に抗議。交渉の結果、低学年50%、中学年からは20%の学費割引率の引き上げで決着するということが最近ありました。私もさすがに全額請求はフェアじゃないと感じて保護者の抗議グループに参加した一人ですが、学校に建設的に意見する保護者が多いことに感心しました。同時に、やり取りの中で触れた、ほかの保護者の教育へのビジョンの確かさに深く心を動かされました。

教えたいのは「レジリエンス」と「優しさ」

今後いつどのように規制が解除されていくかは不透明ですが、子どもの学校の再開は夏休み明けの9月だろうとの予想もあり、家庭で学習する「ホームスクーリング」はしばらく続くと思われます。この期間に学力の差が出るとの懸念が出ている一方で、この前代未聞の期間にアカデミックな側面を心配するよりも、「生きる力」や「レジリエンス」(折れない心)を子どもたちに伝えるほうが大切ではないかといった意見も出ています。

正解はそれぞれの親が探していくことですが、普段は学校や習い事で忙しく、料理や洗濯といったお手伝いをする時間さえない子どもたちが「生活を学ぶ」機会になっていることは確か。家族のつながりはもちろん、きょうだい間の絆を築く機会にもなっています。一番近い人に優しい気持ちで接する大切さも日々学んでいる気がします。「子どもたちに本当に伝えたいことは何か?」、立ち止まって見直す機会になりそうです。

子育てとリモートワークの両立には「ワンオペ戦略」

子どもが家に居ながら親が在宅で仕事をするのは、本当に大変だと実感しています。わが家の場合、「どちらかの親が子ども担当、もう一方の親が仕事時間」と分担して平和的に仕事時間を確保。それに加えて、きょうだい間で機嫌よく遊んでいる間を見はからったり、子どもが友達とアプリで話しているスキマ時間や早朝や子どもが寝てからの時間を使ったりしながら、「だましだまし」何とかやっている、というのが正直なところです。

数日に1回はしんどい思いが膨らむこともあるのですが、とにかく毎日を淡々と、小さいありがとうを大切に、と思って臨んでいます。始めに紹介した宇宙飛行士のインタビューのなかでは「やる気がうせるのは当たり前と思え」という趣旨の話も紹介されていましたが、制限ある生活が長引くにつれその言葉に助けられています。

ボッティング大田朋子
ライター。英国在住。光村図書出版の小学校英語教科書『Here We Go!』制作参加、『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ビックリ!!世界の小学生』(角川つばさ文庫)、『大好きに会いに行こう! 世界のお祭り&イベントガイド』(サンクチュアリ出版)など執筆協力多数。『世界を拠点にした生き方・子育て』ブログ。海外書き人クラブ会員

[日経DUAL 2020年4月27日付の掲載記事を基に再構成]

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