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採用面接は最終選考までオンラインが当たり前になってきた 写真はイメージ =PIXTA

採用面接は最終選考までオンラインが当たり前になってきた 写真はイメージ =PIXTA

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気の急減速が懸念されるなか、転職市場にも影響が現れ始めているようだ。求人企業、転職希望者双方の直近の動きや、転職の成功に向けてこの局面で実践しておきたいことなどを、人材紹介会社大手、JACリクルートメントの黒澤敏浩プリンシパルアナリストに聞いた(インタビューは4月上旬に実施)。

――新型コロナウイルス対策で外出自粛が始まってから1カ月以上が過ぎました。中途採用市場への影響をどうみていますか。

「直近の動きの前に、まずコロナウイルス問題が始まる前までの状況を説明します。転職市場は2016年から18年にかけて活況を呈した後、19年には転職者数の伸びが鈍化していました。製造業を中心に海外の貿易摩擦の影響を受けたことなどが背景にあり、日本人材紹介事業協会の統計によると、19年度上半期(4~9月)の当社を含む人材紹介会社大手3社による転職紹介人数は、前年同期比12%増どまり。同20%以上伸びた18年度上半期、下半期に比べると減速傾向でした。

転職市場は10年に1度『景気の底が来る』といわれていますが、前回の底がリーマンショック時の08年で、すでに10年以上が経過していながらまだ次が来ておらず、そろそろかなという状況ではありました」

「一方で、中途採用については足元の景気をダイレクトに反映するというより、3~5年程度の中長期的な自社のビジネス予測に影響を受けやすく、短期ファクターの影響はそれほど大きくないとされています。ただ、コロナウイルス問題が『短期要因』で終わるかどうかはまだ分からず、ウイルスをきっかけに景気の低迷が長期化する可能性もあります。各社では今後の経営計画及び採用計画の見直しに着手しているかと思いますが、中途採用市場が今後どうなるかは経営陣が向こう3~5年の景気をどうみるか次第といえるでしょう」

――足元の企業の動きはどうですか。

「当社の顧客企業は製造業、金融、IT(情報技術)などが多く、コロナウイルスの打撃が特に大きい観光・販売関連が少ないという事情を割り引く必要はありますが、意外なことに、現時点(4月上旬)で企業の中途採用活動自体はそれほど停滞していない印象です。3月ごろまでは『最終面接はコロナ禍が収まってから』と様子見する企業もありましたが、最近は(自粛体制が長引くとみて)最終選考までウェブで対応するようになった企業が急速に増えています」

「当社のクライアントの場合、4月前半時点で最終面接をウェブで実施するケースは、3月後半に比べ2.4倍に増えました。採用計画を見直した企業ももちろんありますが、計画通り進めている企業については、リモート面接の活用で当初計画どおりの採用が実施できているケースが多いのではないでしょうか。コロナ問題がいつ収束するか全く予測できない以上、企業としてもいつまでも様子見するわけにもいかず、最終選考までリモートという動きは今後ますます加速するでしょう」

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