M-1王者ミルクボーイに大反響 IndeedのCM好感度
2020年3月度 CM好感度月間ランキング
CM総合研究所が発表する3月度の銘柄別CM好感度ランキングで、求人検索エンジン「Indeed(インディード)」が上昇して5位にランクイン。昨年末に漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2019』で初の決勝進出にして王者に輝いたお笑いコンビ・ミルクボーイをいち早く起用した新CMが、若年男性を中心に大きな反響を呼んだ。
ミルクボーイはM-1決勝戦で、朝ご飯の名前を忘れたという駒場孝の「おかん」のために、内海崇がその特徴を聞き出していく「コーンフレーク」などのネタが大受けして優勝。一躍ブレイクして、今年は各メディアから引っ張りだことなっている。
Indeedでは、お笑い芸人が6秒間で即興ネタを披露するCMシリーズ「Indeed CMオンエアバトル」の新作として「ミルクボーイ 居酒屋」編を2月18日からオンエアした。内海と駒場がそれぞれ居酒屋の大将と客にふんし、2人が「仕事さがしはインディード♪バイトさがしもインディード♪」の歌を口ずさんだ後に、店内に流れるクラブミュージックについて駒場が「BGMこれで合ってます?」と内海に尋ねるなどのネタを披露する。
Indeed JapanのSenior BrandMarketing Manager(シニアブランドマーケティングマネジャー)の佐藤大樹氏は、ミルクボーイを起用した理由をこう説明する。「M-1王者という話題性と、一言では伝わりにくいIndeedの利便性や特徴を説明するのに適したネタのスタイルが、起用理由であり狙いです。Indeedは、ネット上のあらゆる求人情報を検索できる『求人検索エンジン』で、アルバイトも社員も業種業態に限らずあらゆる仕事を探すことができます。そのためユーザーは特定の層に止まらず、仕事を探しているあらゆる方がターゲットとなります。ミルクボーイさんを起用することで、老若男女問わず幅広い層にCMを楽しんでもらいながら、Indeedを知っていただくことを目指しました」
Indeedでは15秒とあわせて、30秒の特別CM「ミルクボーイ 社員募集」編と「ミルクボーイ バイト募集」編もオンエア。やはり居酒屋を舞台に、2人の掛け合いでIndeedをいじり倒す内容だ。M-1でのネタで有名になった「おかん」のフレーズも登場する。視聴者は面白くネタを聞きながら、自然とIndeedのサービスの詳細を理解できるという工夫が凝らされている。
調査モニターからは「M-1王者にもなったミルクボーイが大好き」「芸人ミルクボーイ、面白いから頑張ってほしい」「ミルクボーイが一気に好きになり、このCMは必ず観る」とミルクボーイの登場を喜ぶコメントが圧倒的。また、「毎回流行の注目されている芸人を起用していてとても良い」「旬の芸人さんや芸能人がいつも出ている。次は誰かな、とまた見たくなる」と「Indeed CMオンエアバトル」の企画自体も注目されている。CM好感要因は「出演者・キャラクター」が最も多く、「ユーモラス」「音楽・サウンド」「ストーリー展開」と続く。幅広い層から支持されており、なかでも10代男性からの支持が高い。
CM総研の関根心太郎代表は、人気CMシリーズへの期待感、旬のミルクボーイを起用したスピード感、ファン心理をくすぐるフレーズの巧みさが人気の理由とみている。「昨年12月に始まった『Indeed CMオンエアバトル』には、これまで銀シャリ、ジャルジャル、野性爆弾、笑い飯、千鳥といった面々が出演していたことから、『次は誰が出るのか?』という視聴者の期待感も高かったようです。人気CMシリーズの蓄積効果に加え、人気上昇中のミルクボーイをいち早く起用したことで、さらに注目度を高めたのではないでしょうか。CMでは『コーンフレーク』『おかん』といったM-1で披露したネタを連想させるフレーズも盛り込むなど、ファン心理をくすぐる掛け合いも効果的だったと思われます」
Indeedでは調査期間中に、柳沢慎吾を起用した企業向けの新CM「Indeed やるじゃない!月間訪問数No.1」編などもオンエア。「~月間訪問数No.1」編はバスの中で、柳沢ふんする人事担当者が「インディードがあるじゃない。って言うけど、応募来ねえだろ」とつぶやくと、周囲の乗客が口々に「応募してます」「使ってます」と名乗り出て、「月間訪問数No.1」の文字とナレーションに続いて、柳沢が「インディード、やるじゃない!」と叫ぶ。Indeed Japanの佐藤氏は「採用にお困りの人事に関わる方全般がターゲットですが、なかでも中小企業の方を意識しています。Indeedの強みや利便性をより明確に打ち出すことを意識しました」と言う。3月度の銘柄別CM好感度を獲得したメインはミルクボーイの新CMだが、柳沢の新CMも得票している。
CM展開は新たなフェーズへ
IndeedのCMといえば、斎藤工と泉里香が様々な職業にふんして「仕事(バイト)さがしはインディード♪」と繰り返す連呼型CMを2017年からスタートさせて強い印象を残した。Indeed Japanの佐藤氏によると、「ジングルは継続して使用しておりますし、シリーズとして終えたわけではありません」とのこと。「斎藤さんと泉さんを起用し始めた当初は、まだまだIndeed自体の認知が低い状況でしたので、まずは『Indeed』というサービス名を覚えていただくことを目的としていました。現在では認知度も上がってきましたので、よりサービス内容を深く知っていただくこと、より多くの方に利用していただくことを意識したフェーズへ移行しきています」と言う。
今回だと、主に仕事を探している求職者に向けてはミルクボーイのCM、人材を採用したいと考えている企業の人事担当者に向けては柳沢のCMと、異なったアプローチが功を奏して、Indeedとして高いCM好感度を獲得した。「今後も新しいアプローチは検討していきます」(佐藤氏)というから、多岐にわたるサービスと同様、CM展開でもシリーズの幅が増え、話題が広がりそうだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
■当月オンエアCM:全2451銘柄
■東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象に、関東在住の男女モニター3000人に、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに自己記述してもらい、その得票数を足し上げたもの
■同商品の複数作品にオンエア・好感反応がある場合、代表作品は最もCM好感度の高い作品
■企業・銘柄名・作品名はCM総合研究所の登録名称であり、正式名称と異なる場合がある
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