給与の多さは関係ない 一番幸せになれる仕事の選び方人生の景色が変わる本(13) 『科学的な適職』

鈴木 祐著 クロスメディア・パブリッシング
鈴木 祐著 クロスメディア・パブリッシング

もしも転職するとしたら、あなたは何を重視するだろうか。自分の好きなこと? 給料の多さ? 将来性のありそうな業界や職種? 本書によれば、これらはすべて間違いであり、キャリア選択において陥りやすい幻想だ。サイエンスライターの著者は、4000を超えるさまざまな研究データを基にその根拠を解説した上で、「幸福を最大化する仕事」を選ぶためのポイントを提示する。

キャリアに関する選択肢が豊富な現代、仕事選びの悩みは誰でも抱えるもの。人によっては賛成できかねる論もあるかもしれないが、視野が広がることは確か。転職を考えている人にとってはもちろん、将来のセカンドキャリアを考える上でも、読んでおいて損はない内容だ。

要点1 仕事への情熱は後からついてくる

「好きを仕事に」は、よく聞く言葉。しかし多くの職業研究によると、好きなことを仕事にしようがしまいが、最終的な幸福感は変わらない。好きな仕事を求める気持ちが強いと、現実とのギャップを感じやすくなり、結果的に情熱や幸福度が下がる場合もある。仕事への情熱は、今までその仕事に注いできた努力の量に比例するという研究結果も。情熱とは、何かをやっているうちに自分のなかから生まれてくるものなのだ。

要点2 重視すべきは仕事の裁量権

数ある研究結果から、仕事の幸せを左右する大事な要素は「自由」であることが分かっている。作業のペースや進め方を自由に設定できる、労働時間を選べる、収入や社内ルールに意見を言える。こうした裁量権の有無は仕事の幸福を決める根本的な要素だ。一方、ある統計によると、給料の多さは幸福度とはほとんど関係がない。また、好きな業界や将来有望といわれる業界を選ぶことにもリスクがある。専門家でも将来の産業予測はほぼ不可能だし、自分の好みもいつ変わるか分からないからだ。

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要点3 労働時間と職務の乱れが幸せを妨げる
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