「交通誘導員ヨレヨレ日記」 過酷な現場ユニークに

Paravi

発売から約半年で6万4000部を売り上げている『交通誘導員ヨレヨレ日記』。73歳の作者が日々の過酷な現場の様子を明るくユニークに描いた実話を基にした作品です。

『交通誘導員ヨレヨレ日記』の作者、柏耕一さん(73)。

「いらっしゃいませ、どうぞお通りください」。1台ずつ声を掛け、頭を下げながら、車や歩行者を誘導します。

「こらー、警備員なにしている!」「いったいあんたは何のためにそこに立っているんだよ」。そんな苦情の数々……。柏さんは、そんな交通誘導員の日常を本に描きました。全て自身の体験をもとにした実話です。

日々の過酷な現場の様子を明るく描いた「交通誘導員ヨレヨレ日記」の作者、柏耕一さん=右

柏さんは、かつて出版社に勤務していました。出版社を辞めた後、独立し、有名作家の本の編集など300冊以上を手がけましたが、出版不況も重なり倒産。

生活費のために、交通誘導員の仕事を始めました。日給は約9000円で、週4日勤務をして約17万円。そして月6万円の年金が毎月の収入です。

実は、柏さんのような高齢の交通誘導員は少なくありません。全国にいる約55万人の交通誘導員のうち4割超が60歳以上。

「老後の不安を抱えて、それに見合うだけの金銭的なものがない。ただ警備員を80歳、あるいは死ぬまでやらないと生きていけないとなったらやっぱりつらいね」と柏さん。

出版社に勤めていた当時の友人でフリーライターの林義人さん(70)は「初めて柏さんが交通誘導員をやっていることを知った。自分自身は交通誘導員をやってはいないが、なにか身につまされる」と言います。

柏さんは「そろそろ警備員を卒業して、出版の仕事でもう一度勝負してみたい」と、今後に向け決意を新たにしています。

この映像と記事はテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(2020年2月24日放送)の内容を配信用に再構成したものです。

(C)テレビ東京

[PlusParavi(プラスパラビ) 2020年4月1日付記事を再構成]

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