「今でしょ」生んだコピーライター 伝わる言葉考える青山ブックセンター本店

思うことを相手に伝えるすべての手段が言葉

辞書を引いたり、実際関わった広告づくりを語ったりしながら、著者が連れ出すのは「自分と言葉の世界」をとことん考え、最後は世の中に働きかけずにはいられなくなるような本質的な企画の場所だ。「心に思うことを、相手に伝えるすべての手段が言葉だ」「企画とは、シンプルにすると『→(矢印)』だ」「言葉に矢印を込めよう」――こうした言葉で著者は思いきり読者をあおっていく。

締めくくりの章は「企画書はラブレターだ」。居酒屋「甘太郎」で太郎割引という企画を実現したエピソードが語られる。「心に芽生えた感動を、時代の騒ぎになるくらい広げていこう」。そう読者に呼びかける。「自分で問い、自分の答えを言葉にしよう」。これが著者が本書に込めたメッセージだ。

「1カ月ほど続けてランキング上位で売れ続けている。広告とは関係ない自分が読んでもなるほどと思える発見がある」とビジネス書を担当する本田翔也さん。広告系のみならず企画系のビジネスパーソンが多い青山の読者には鋭く刺さっているようだ。

『世界観をつくる』が2カ月連続トップ

それでは、先週のベスト5を見ていこう。

(1)世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術水野学・山口周著(朝日新聞出版)
(2)シン・ニホン安宅和人著(ニューズピックス・パブリッシング)
(3)Beyond MaaS日高洋祐ほか著(日経BP)
(4)大きな嘘の木の下で田中修治著(幻冬舎)
(5)ハッタリの流儀堀江貴文著(幻冬舎)

(青山ブックセンター本店、2020年4月13~19日)

1位は3月に訪れたときに取り上げた対談本。そのときも1位だった。売れっ子のクリエイティブディレクターと独立研究者がこれからの日本に必要な仕事への向きあい方やスキルをめぐって語り合った本だ。2位はヤフーの最高戦略責任者による日本再生論。3位にはMaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)を手掛かりに移動と都市の未来を展望した一冊が入った。4位はオンデーズ社長によるビジネス書。ウソを切り口に幸福論や仕事論を語っている。5位には19年7月刊のホリエモンこと堀江貴文氏の本が再浮上した。紹介した言葉術の本は9位だった。

(水柿武志)

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