逆境のいまこそ、従来の経営手法の見直しを東京都中小企業診断士協会 松枝憲司会長

比較的規模の小さいBtoC(消費者向け)の事業者で経営破綻が広がれば、おのずとBtoB(企業向け)の大規模事業者にも影響は避けられない。「企業は互いに互いの顧客。緊急事態宣言が長引けば、痛みは大きくなる」(松枝会長)

売り上げが減った事業者には国の「持続化給付金」や都の「協力金」などの支援策があるが、いずれも支給は5月以降とされる。松枝会長は「小規模事業者は毎日の売り上げで資金を回しているところも少なくない」と指摘、迅速な資金供給の必要性を説いた。

事業主にとっては、経営資源の3要素「ヒト、モノ、カネ」のうち、モノが止まり、ヒトの移動が止められて、カネも収入がなく支出だけが続いている状況。こうしたなかで、将来を見据えた手立てを打つことは困難かもしれないが、従来の取引のあり方や資金繰り、事業継続計画(BCP)を見直す機会とすることもできそうだ。

とにかく感染者を出さないこと

業種や業態、置かれた条件によって大きな差があるだろうが、「ただ一つ共通して言えることがあるとすれば、とにかく経営者自身が新型コロナに感染しないこと、自社から感染者を出さないこと」と松枝会長は強調する。中小企業で経営者が感染すれば、その途端、いやおうなく事業がストップする。さらにその後の影響も懸念されるからだ。

リーマン・ショックの際には、特定の大口顧客からの受注が途絶えたことから、自社の技術を磨き上げて、対外的な情報発信に務めたことで、取引先を拡大した中小企業の事例もあるという。

今回の局面では、以前から交流サイト(SNS)などでの情報発信に取り組んでいた事業者が、インターネットで小口資金を募る「クラウドファンディング」で資金を調達する事例もみられる。「いまできることは限られるかもしれないが、やれることをやることが大切」と松枝会長は語る。

(平片均也)

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