親70代は生前整理の好機 介護・相続・墓じまいを話す

日経ARIA

親が70代になれば「生前整理」を話す好機(写真はイメージ=PIXTA)
親が70代になれば「生前整理」を話す好機(写真はイメージ=PIXTA)
日経ARIA

離れて暮らす両親。まだまだ元気とはいえ、70代にもなれば、自分の周りを身ぎれいにする「生前整理」を始めてもいい年齢です。しかし、そんな話題を持ち出そうものなら「まだ早い」「縁起でもない」と一蹴されるのが落ち。もめずに、楽しく始めるこつを教えます。葬儀・お墓・介護など終活を取材してきた旦木瑞穂さんがリポートします。

「そのとき」は、突然やってくる

両親と生前整理の話をしようにも、はぐらかされて、なかなか具体的な話にはなりにくいもの。しかし、「そのとき」は突然やってくる。残された家族は気持ちの整理がつかず、冷静な判断ができなかったり、家族間で意見の違いからもめてトラブルになったりするケースも珍しくない。家族全員が納得のうえ、親が70代になったら始めるのがポイントだ。

生前整理の基本は「物、心、情報」の整理。不要なものを処分する物理的な「物の整理」、あらかじめ本人と家族で話し合っておく「心の整理」、そして複数の葬儀業者から見積もりを取っておくなどといった「情報の整理」だ。これらを押さえておけば、いざという事態が起きても慌てることなく、落ち着いて対応できる。

中でも、一番手間がかかるのは物の整理。実際に親の葬儀後に困ったことを聞いたアンケートでは、「身の回りのものの処理」を挙げた人が圧倒的に多かった。遺品整理会社に依頼することも可能。だが、これには費用がかかる。遺品整理・生前整理会社のリリーフ(兵庫県西宮市)によると、例えば2DKで暮らしていた場合で15万円(税別)からの作業費がかかる。親の家の片付けは「親家片(おやかた)」などと呼ばれ、子どもにとって精神的、体力的、そして金銭的に大きな負担になっているのが実情だ。

親の葬儀の後に困ったことを聞いたアンケート調査の結果。銀行の口座や年金、保険を抜いて、最も多かったのは「身の回りのものの処理」だった。グラフは大手葬儀社の公益社(大阪市)が実施した「葬儀・終活に対する意識調査」(2018年2月)を基に作成。45~79歳の男女1000人を対象、有効回答は597件
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