コロナで売り手市場一変 来年の就活はもっと過酷?就活探偵団

イラスト=強矢さつき
イラスト=強矢さつき

就活生が例年にない逆風にさらされている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、企業の説明会が相次ぎ中止になり、選考活動を一時停止している企業も増えている。学生優位の「売り手市場」だった昨年までとは一変し、危機感を持ち始めた就活生たちは今何を考えているのか。探偵団がリポートする。

「OB訪問が全くできないので焦っています」

中央大4年の男子学生はこう嘆く。志望業界は不動産デベロッパーだが、まだ内定はない。15社程度にエントリーし、日々自室にこもりパソコンに向かって、ウェブ説明会やビデオ面談を細々と受け続けている。

今一番困っているのがエントリーシートでアピールすることがないことだ。OB訪問をしていれば「御社の○○様に直接お話を伺いました。△△だということで魅力に感じました」などと書けるが、それができない。ウェブ説明会で直接質問できる機会は少なく、会社のウェブサイトをのぞくだけでは書ける内容に厚みを出せない。

「同じ状況のような人と面と向かって直接話ができないのがつらい。ストレスがたまります」。外出自粛で悩みを打ち明ける場も少なく、苦悩する状態が続く。

滑り込みセーフ

明治学院大4年の男子学生は大手流通A社の内定を3月中旬に獲得し、就活を終えた。最初は不動産や人材、化粧品業界を志望していて、A社に行く気はなかった。

A社のほかにエントリーをしたのは5社程度。ほかの企業の選考が始まっていない段階でA社の面接を重ねた。「君は何をしたい? ウチなら何でもやれるよ」など誘い文句を言われるうちに、「いい会社かも」と思うようになったという。

もしコロナがなければもっと業界研究をして違う会社に行っていたかもしれない。しかしコロナの影響で各社の説明会がどんどんなくなり情報を得る機会がなくなってしまった。周りには内定を一つもとれていない友人も多く、それに比べれば恵まれているとも思う。「僕はなんとか滑り込めて良かった」と今は自分に言い聞かせている。

新型コロナの収束が見えないなか、危機感は高まる。マイナビ(東京・千代田)が3月下旬に実施した2021年卒業予定の学生向け調査によると、先輩と比較して自分たちの就職活動が「かなり厳しくなる」「多少厳しくなる」と回答した人の合計が前年同月比61ポイント増の83%に達した。

例年盛んな合同会社説明会も今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でみられない(写真は2018年5月、都内)

不安の広がりとは裏腹に、現時点のデータ上では内定を持っている学生は昨年より多い。大手就職情報会社のディスコ(東京・文京)の調査では4月1日時点で34.7%と前年同月を8.3ポイント上回った。その理由はインターンシップ(就業体験)。参加したかどうかが勝負の分かれ目になっているようだ。

「今年の就活は始める時期が勝敗を決めたんですよ」。慶応大4年の男子学生はこう断言する。大手自動車メーカーが2月に開いた冬のインターンに参加。早期選考の機会を得て3月に内定を得た。ほかにも外資系コンサルティング会社の内定も持つが、本命は金融業界だ。内定を2つ持ちながらも、現在はウェブ面接をはしごする。

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