リーダーは多様性で育つ シンガポールで活躍する女性

2020/4/28
写真はイメージ=PIXTA
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グローバル企業がアジア地域の拠点(ハブ)に選ぶことの多いシンガポール。日本人の女性リーダーが集まるハブでもある。多様性の高い集団を率いる彼女たちに、女性リーダーの育成が急務となっている日本企業の課題を聞いた。

「背伸びをしてチャンスに食いつくのが面白かった」と振り返るシスコ・システムズの鈴木さん

米国の情報通信機器大手シスコ・システムズのシンガポール拠点はインドから中国、日本まで広くアジア太平洋事業を統括する。4万人を束ねる社長は鈴木みゆきさんだ。日本で豪ジェットスターやシスコの日本法人社長を歴任。今も多くの日本企業から「社外取締役に」と声がかかる。鈴木さんはシンガポールについて「多様な文化と経営理念の縮図を作り出していて、男女にかかわらずグローバルな企業のリーダーになる人にはいい経験ができる」と語る。

女性リーダーを育むのに有効なのは、性差なく能力を引き出すシステムだ。鈴木さんは営業職として新卒で入社した英通信社ロイターで「チャレンジ(挑戦)とストレッチ(背伸び)」を繰り返した。

最初の経験は20代のころ。ニュージーランド(NZ)に拠点を開設する責任者を任された。会社は常に未経験の仕事、重い責任を与えた。「面白かったので背伸びをしてでもチャンスに食いついた」(鈴木さん)。「駆け出しのころは大企業のリーダーになるとは思っていなかった」が、今は「国際的なリーダーとともに仕事ができる」と意気揚々だ。

「日本の女性は大きな夢を持つべき」と強く語るP&Gの中村さん

ロールモデルが身近なことも大きい。米消費財メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の基幹研究拠点を率いる中村優子さんは「出世の野心はゼロだった」と振り返る。同社は女性活用の先進性で知られる。入社時からのびのびとキャリアを積む女性上司や同僚を目の当たりにし、「自分にもできる」と自信をつけたという。

女性の役割について教育や古くからの社会通念にとらわれがちだが「鎖を断ち切れば女性はもっと活躍できる。『もっと大きな夢を持て』と伝えるのが私の責務」と語る。

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