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リーダーは多様性で育つ シンガポールで活躍する女性

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NIKKEI STYLE

グローバル企業がアジア地域の拠点(ハブ)に選ぶことの多いシンガポール。日本人の女性リーダーが集まるハブでもある。多様性の高い集団を率いる彼女たちに、女性リーダーの育成が急務となっている日本企業の課題を聞いた。

米国の情報通信機器大手シスコ・システムズのシンガポール拠点はインドから中国、日本まで広くアジア太平洋事業を統括する。4万人を束ねる社長は鈴木みゆきさんだ。日本で豪ジェットスターやシスコの日本法人社長を歴任。今も多くの日本企業から「社外取締役に」と声がかかる。鈴木さんはシンガポールについて「多様な文化と経営理念の縮図を作り出していて、男女にかかわらずグローバルな企業のリーダーになる人にはいい経験ができる」と語る。

女性リーダーを育むのに有効なのは、性差なく能力を引き出すシステムだ。鈴木さんは営業職として新卒で入社した英通信社ロイターで「チャレンジ(挑戦)とストレッチ(背伸び)」を繰り返した。

最初の経験は20代のころ。ニュージーランド(NZ)に拠点を開設する責任者を任された。会社は常に未経験の仕事、重い責任を与えた。「面白かったので背伸びをしてでもチャンスに食いついた」(鈴木さん)。「駆け出しのころは大企業のリーダーになるとは思っていなかった」が、今は「国際的なリーダーとともに仕事ができる」と意気揚々だ。

ロールモデルが身近なことも大きい。米消費財メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の基幹研究拠点を率いる中村優子さんは「出世の野心はゼロだった」と振り返る。同社は女性活用の先進性で知られる。入社時からのびのびとキャリアを積む女性上司や同僚を目の当たりにし、「自分にもできる」と自信をつけたという。

女性の役割について教育や古くからの社会通念にとらわれがちだが「鎖を断ち切れば女性はもっと活躍できる。『もっと大きな夢を持て』と伝えるのが私の責務」と語る。

日本人女性がシンガポールで要職に就き、活躍することについて「偶然ではない」とシンガポール国立大学経営大学院のローレンス・ウォン教授は指摘する。「画一的で多様化が遅れた日本ではガラスの天井がまだ厚い。企業は、日本以外の国・地域の方が女性リーダーを生かしやすいことを知っている」

スイス金融大手傘下のクレディスイス・リサーチ・インスティテュートが女性のリーダーシップを調査した「ジェンダー3000」2019年版がある。クレディスイスのリサーチ対象を中心に業種や地域のバランスをとった世界の3100社超が対象だ。経営幹部に女性がいる割合はシンガポールが23%で日本は3%だった。通信大手シンガポール・テレコムの最高経営責任者(CEO)や銀行のDBSグループ・ホールディングスの最高財務責任者(CFO)など同国では珍しくない。

ひるがえって日本。女性管理職やCEOも増えてはいる。目立ってはいるが、ごくわずか。今回の調査で対象とした日本企業175社の中では女性CEOはゼロだった。

日本企業で女性幹部の育成を阻む原因は何か。米経営コンサルタント、コーンフェリーのシンガポール法人アリシア・イー社長はインフラ不足を挙げる。家事を担うヘルパーや保育園など、働く女性が仕事に集中しやすくなるインフラが利用しにくい。「日本人に限らず、世界の多くの女性はキャリアのために家庭を犠牲にしない。だからこそインフラの水準で差がでる」

日本でも女性リーダーの育成は可能という。「企業が在宅勤務などフレキシブルな働き方を認めることで解決できる部分は大きい」と鈴木さん。テレビ会議など技術は十分ある。「上司が部下を信頼し技術を生かせば(女性の上級職昇進は)不可能ではない」

女性自身が得意分野を磨くことも重要だ。米工業用品・事務用品大手スリーエム(3M)の現地法人社長を経てコンシューマービジネス部門のアジア地域トップに就いた中平優子さんは「女性だから流れに任せていてはキャリア形成ができないと、自分で真剣に得意分野を作ってきた」。

第4次産業革命といわれるイノベーションの時代。「企業が成長するには変化が必要。変化は同質な人同士が話し合っても生まれない」。中平さんは3Mが多様性に取り組む理由を説明する。多様な視点を持つリーダーシップが必要な今。女性登用の手綱を緩めると、日本企業は自社の将来の成長機会を逃してしまうかもしれない。

積極登用だけで止めない ~取材を終えて~

シンガポールで女性が比較的進出しやすいのは、人材不足の裏返しでもある。女性や外国人という理由で排除する余裕はなく、その結果生まれた多様性は、グローバル企業がアジアの統括拠点に選ぶ理由の一つになった。今回取材した女性たちも、日本より小さなこの国での経験を「国際的な企業の幹部としてのキャリアに役立つ」と話していたのは興味深い。

日本で女性の層は厚くなった。しかし外資企業の女性登用の取り組みを聞くと、採用さえすれば女性リーダーが増えるわけではないと痛感した。企業は様々な面で変わる必要がある。例えば、新型コロナウイルス対策でテレワーク導入が加速している。危機が転じて柔軟な働き方が普及すると期待したい。

(シンガポール=谷繭子)

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