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色鮮やかフラットサンダル 軽快おしゃれに休日コーデ

宮田理江のおしゃれレッスン

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NIKKEI STYLE

近ごろの足元はスポーティーで軽やかな方向に「進化」が続いています。もはや当たり前になったスニーカーよりも伸びやかな気分に誘ってくれるのが足に優しいフラットサンダルです。足先が解放されて、楽なうえに、着こなしにリラックス感が加わるので、休日の装いにピッタリ。250年近い歴史を持つ代名詞的な存在のドイツブランド「Birkenstock(ビルケンシュトック、以下ビルケン)」はおしゃれアイテムとしても支持が広がってきました。これからの季節にふさわしい、涼やかな装いにもマッチするスタイリングのコツをつかんで、足元から春を呼び込んでいきましょう。

「ブラック×ホワイト」コーデで洗練されたリラックスを演出

黒い服と白いサンダルは、コントラストがくっきりして、シャープな着映えに仕上がります。女優のシャーリーズ・セロンは上半身を黒、腰から下を白できれいに色分け。白のワイドデニムパンツに、つややかな白の「シエナ」モデルを添えて、質感の違いを際立たせました。

上半身を黒系で整えると、顔周りがシャープに映ります。一方、ボトムスを白でまとめれば、軽快な足元を演出できます。足指のペディキュアがのぞいて、フェミニンで伸びやかな見え具合に。女性がメンズ風のパンツやオーバーサイズのアウターなどを装うことが人気ですが、このように足先だけ肌見せすると、程よい「抜け感」が出て、こなれて見えます。素足で履くだけで、ヘルシー感も演出できる簡単技です。

黒主体のシックな着姿にも、黒の「シエナ」モデルは自然に溶け込みます。黒で統一したパンツスーツはクールな着映え。お仕事ルックを普段使いにスイッチするなら、靴をムードチェンジャーに位置づけて。

パンツスーツは2020年春夏の世界的なトレンドとして注目されています。新たに浮上したのは、日常使いの着こなし。ビルケンは絶好のムードチェンジャーになってくれます。写真のモデルは有名スタイリストでもあるだけに、最旬ルックを取り込んで、パンツスーツを白Tシャツでコーデ。お仕事用と決め込まないで、プライベートシーンでもマルチに着回せば、スーツの出番がぐっと広がります。クラシカルなバッグを添えて、サンダルとのコントラストを引き立てるのも、賢いスタイリングです。

さわやかな「ブルー」をコーデの新顔差し色に

今春夏の世界的トレンドカラーに、ブルーが浮上しています。デニム以外の服で取り入れるのには、ややハードルが高い色ですが、履物ならアクセントとして、トライしやすいはず。見るからに涼しげな色だけに、夏に向けて試しがいのある足元アレンジといえます。

メンズライクな細しまのストライプシャツに、ネイビーのパンツを合わせて、マリンルック風のいでたちに。シンプルなコーディネートですが、足元にブルーを迎えて、アクティブ感をアップ。パンツよりもカラートーンが明るいサンダルのおかげで、軽快感が加わりました。

鮮やかな色のサンダルは、素足の健やかイメージを引き立ててくれます。露出が増える分、肌との色コントラストが際立ち、視線を足元に引き込む効果を発揮してくれるわけです。男性に肩車された写真の女性は、オーバーサイズのコートを羽織って、足にはブルーのサンダル。アウターに量感があっても、クールな色味のおかげで、足元が軽やかに映っています。

春夏は薄着になっていく時期だけに、靴の存在感が大きくなります。さっぱりした見え具合の服にも、ブルーはさわやかなスパイスを添えてくれそう。ビルケンには様々なカラーバリエーションが用意されているから、その日の気分に合った色を選べます。パートナーや仲間と色違いの「リンクコーデ」を楽しむという選択肢もあります。

オレンジ色のニットトップスが目をひく装いに、あえて寒色のブルーで合わせると、程よいずれ加減が生まれます。つい無難な同系色やダークカラーを選んでしまいがちですが、このような相反するカラーコントラストを試せば、ありきたりを抜け出せます。

足元が目立ちやすい春夏の着こなしは、先に履物を決めてしまうのがコツです。サンダルを軸に据えて、服を選ぶ際は、明るい色味のTシャツや花柄ワンピースなどを候補に加えて。パーツごとに色を変える「カラーブロック」を組み立てれば、薄着のシーズンでも、元気な印象に。写真のように、ボトムスだけベーシック色にすれば、落ち着きが備わります。

ワンピースやパンツに合わせて、「抜け感」を添えて

ブルー以外にも、様々な色が春夏ルックに元気感をチャージしてくれます。ビビッドなビタミンカラーを選べば、春夏らしいポジティブなムードを呼び込めます。地味めの色や、プレーンなウエアにも、カラフルな足元が華やぎをプラス。手持ち服の着回しにも効果的です。

ニット仕立てのワンピースに、鮮やかなイエローのサンダルを引き合わせました。黒系とイエローは好相性のコンビネーション。足元に絶好の差し色が加わって、めりはりのきいた着こなしに。ワンピースの下にレギンスをはいて、くつろいだ雰囲気を引き出しました。

最大のおしゃれキーワードとなっている「サスティナビリティー」を象徴する色がグリーンです。ナチュラル感をまとううえでも絶好の選択。履物ならアクセントカラーに迎えやすくなります。植物の緑が濃くなっていくこれからの季節に、グリーンの足元は公園や散歩の時間にぴったりです。

赤のニットウエアとサンダルという、飾らないアイテム同士なのに、華やいで見えるのは、原色の組み合わせだから。素足で履くのが一般的なサンダルですが、ソックスと合わせれば、さらにカラーミックスが多彩になります。

健康志向や安心を求める今の気分にマッチ

足裏をしっかり受け止めるフットベッド(中敷き)は、ビルケンシュトックが1774年に発明した構造です。今ではサンダルにとどまらず、靴やバッグなども手がけるライフスタイルブランドに成長しています。様々なブランドやアーティストとのコラボレーション企画も多く、今回紹介したシリーズは、ルーツになった年にちなむモデル「1774」をベースに、モダンなアレンジを加えたコレクションです。

サンダルならではの軽やかな履き心地は、お出かけの気分まで解き放ってくれるかのよう。ソール全面がしっかり地面を踏みしめる構造は足に負担がかかりにくく、健康や安心が求められる今の気分にもなじみます。お仕事ルックをデイリー仕様で着回すスイッチ役も任せられるから、この春夏はサンダルを味方につけて、足取りを弾ませてみませんか。

(画像協力)
ビルケンシュトック
https://www.birkenstock.com/jp/1774/
宮田理江
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通販ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。

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