答えと解説

正解は、(2)発作中に呼びかけても反応がない、です。

てんかんは、子どもが突然けいれんを起こし、泡を吹いて倒れるような病気というイメージがありますが、実は65歳以上でも多く見られます。高齢者てんかんの多くは、脳卒中などの脳血管障害や頭部の外傷、脳腫瘍といった明確な原因(器質的病変)があり、その場合は、突然のけいれんで倒れるのが特徴です。ところが、特定の原因がなく、加齢によって起こると思われるてんかんも少なくありません。その割合については諸説あり、高齢者のてんかんの約半数は脳の器質的病変がないとする報告もあります[注1]

「加齢からくるてんかんは、年をとれば自然発生的に誰でもなる可能性があります。このタイプのてんかんはけいれんを伴わないので、発作に気づきにくいのが問題です」。東京女子医科大学東医療センター脳神経外科てんかん外来担当(講師)の久保田有一氏はそう話します。

加齢によって起こるてんかんは、どんな症状が主なのでしょうか。久保田氏によると、「けいれんで倒れない代わりに、ボーッとする、話しかけても反応がない、目の焦点が合わない、貧乏ゆすりのような動きをする、突然怒りっぽくなる、といった症状が現れます。その間、本人に意識はありません」。

図1 加齢によって起こる高齢者てんかんの特徴

てんかん発作が続く時間は、数十秒から1~2分程度。「発作の後は、数十分から数時間かけて意識が回復していきます。回復すると支障なく日常生活を送ることができ、しかも本人は発作を覚えていないので、自覚がなく、周りも『認知症かも』と思ったりします」(久保田氏)。

見分けるポイントは「発作中に呼びかけて反応があるかどうか」

久保田氏によると、認知症と高齢者てんかんを見分ける一番のポイントは、「発作中に呼びかけて反応があるかどうか」です。「認知症の場合は反応がありますが、てんかんの発作中は、話しかけても反応がなく、目も合いません。発作時に、手元や口元、足先などがわずかに動く『自動症』が見られることもあります。また、発作中は大ケガをしても痛みを感じません。記憶にないアザやケガも、てんかんのサインである可能性があります」と久保田氏は解説します。

てんかんと診断されれば、脳神経の興奮を抑える抗てんかん薬によって、多くの患者さんは発作を抑えることができます。発作中の思わぬケガや事故を避けるためにも、周りの人間が早めに気付いて、専門医の受診につなげることが大切です。

[注1]Werhahn KJ. Dtsch Arztebl Int. 2009; 106(9):135-142.

[日経Gooday2020年4月1日付記事を再構成]

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