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メディアコンサルタント、ソーシャルカンパニー代表、市川裕康氏

メディアコンサルタント、ソーシャルカンパニー代表、市川裕康氏

comemo
次代を担う「旗手」は何を感じ、何を考えているのか――。日本経済新聞社が運営する投稿プラットフォーム「COMEMO」から、「キーオピニオンリーダー」が執筆したビジネスパーソンにも役立つ記事を紹介します。今回から2回は、ソーシャルカンパニー(東京・千代田)代表を務めるメディアコンサルタントの市川裕康さんに、デジタルメディアの活用について語ってもらいます。

 新型コロナウイルス感染被害に関する先の見えない不安からくる緊張感が高まっている中、今回の事態が結果的にリモートワーク推進を広げ、デジタル化の浸透を加速するきっかけになるという見方があります。世界で進むリモートワークで広く活用されているソフトウエアや、オンライン学習のためのツールなど、この機会にデジタル活用を促進するために、押さえておきたいいくつかのポイントがあります。

デジタル化が加速する中で必要なこと

新型コロナウイルスの影響で早い段階から大きな影響を受けている業界として、イベントを主催する事業に携わる方々が挙げられます。長期間にわたる準備が報われず、経済的にも大きな負担を強いられる事態となっています。

私自身もかつて2001年秋にニューヨークで米同時テロが発生した際、当時2カ月後に控えた米国で開催される数千人規模の企業と日本人留学生が集う就職イベントの運営に現地のオフィスで携わっていたことがあります。毎日のように出展企業のキャンセルの通知が届き、企業や学生さんなど参加者への連絡に取り組んでいたことがあり、緊張感のある日々だったことを思い出します。

また、11年3月の東日本大震災の際にはちょうど自分が独立した直後であり、数カ月間仕事のメドが立たず、苦労したことも思い出されます。

それぞれの事件から20年、10年近くたち、今思うことがあります。社会を震撼(しんかん)させるような事件もいずれ落ち着く時が訪れ、平時に戻る時がきっとやってくる、ということです。また、当時一緒に汗を流した同僚、仲間、お世話になった方のことや当時の会話などは、今でも鮮明に思い出すことができます。

過度なパニック状態に陥ることはできるだけ避け、一日一日、自分ができることに誠実に取り組むことが求められていると思います。そんなことを踏まえると、今意識しておきたいことは「デジタル・リモートでできること」を考えることではないかと思うのです。

まずはこれを機会に、デジタルツールの活用を促進することです。組織としても個人としても、今後新しい価値観とともにリモートワークが推進される中で、ビデオ会議、チャットサービスなどの導入が急速に進むでしょう。東日本大震災をきっかけにSNS(交流サイト)活用が国内でも広がったような、そんな潮目の変化が訪れるはずです。組織の中で導入する際には、人事制度や組織の文化やルールの変更が求められることもあると思いますが、長期的な視点に立って、大きな時代の変化を先取りすることが重要だと思います。

そして、すでに多くの組織がイベントをキャンセルする代わりに、代替手段としてオンラインサービスを利用したリモート開催を進めています。オフラインで実際に顔を合わせることで得られるネットワーキングの価値はもちろん色あせないものですが、遠隔地や海外の人にとって、こうしたリモート開催が広がることはとてもありがたいことだと思われます。場所と時間を越えて学びが広がる機会としても、とても注目しています。

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