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ウイルス対ワクチン 実用化まで苦闘の歴史2000年

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ナショナルジオグラフィック日本版

2019年12月下旬以降、多くの人の命を奪っている新型コロナウイルス。それに対するワクチンを開発しようと、世界中の科学者が必死になっている。数十の企業や研究機関が先頭に立ち、記録的なペースで開発を進めており、いくつかはすでに臨床試験の第1段階を開始している。

多くの人がワクチンに期待を寄せているものの、一般の人がワクチンを使用できるようになるまでには、少なくとも1年から1年半はかかる可能性があると、研究者は警告し続けている。

ほとんどのワクチンは、病気を治さない。そもそも感染しないようにするためのものだ。ワクチンには病原体(またはその部分)が含まれるが、実際に病気にならないように、不活性化したり弱めたりしたものが使われる。ワクチンを接種すると、免疫系はその病原体について学習し、情報を蓄え、抗体を生み出す。そうして、次に同じ病原体が現れたときに、体がそれを撃退できるようにする。

ワクチンの誕生はわずか200年ほど前だが、病気が伝染しないように予防接種をするという概念には、もっと長い歴史がある。

ワクチンの発明

天然痘は、早くから人類にとっての災いの1つであり、ワクチンで根絶された最初にして唯一の病気だ。天然痘を生き延びた人が免疫を獲得することは、紀元前430年までには判明していた。その後の2000年間のある時期に(早ければ紀元前200年頃とも言われる)、人類は予防接種の方法を学んだ。

中国やインドには古くから、「人痘接種」と呼ばれる方法で天然痘と闘った記録が残っている。天然痘患者のかさぶたをすりつぶし、健康な人の鼻孔に吹き付けたり皮膚に傷をつけて擦り込んだりすることで、意図的に感染させる方法だ。

人痘接種は、完璧とは程遠いものだった。死亡率が2~3%もあっただけでなく、接種された人が他の人にうつす可能性もあったのだ。それでも人痘接種は、18世紀初頭までにヨーロッパや南北米大陸で普及していった。

1796年、英国の医師エドワード・ジェンナーが、伝染病対策に革命をもたらした。弱毒化した牛痘のウイルス株を接種することで、天然痘を予防できることを示したのだ。牛痘は、当時は主にウシからヒトへ感染していた軽度の人獣共通感染症である。

その後の数十年で、ジェンナーの牛痘法が、徐々に人痘接種の代わりに用いられるようになった。その発見以降も研究開発は続き、天然痘の勢いは衰え始めた。それから200年近く経った1980年、世界保健機関(WHO)は天然痘の根絶を宣言した。

ジェンナーの画期的な発明が、インフルエンザ、麻疹(はしか)、ポリオ、狂犬病、破傷風、腸チフス、黄熱病、子宮頸(けい)がんなど、さまざまな病気のまん延を防ぐ今日のワクチンへの道を切り開いたのだ。

ワクチンのメカニズム

人間の免疫系は、侵入した病原体を探知して殺すよう設計されている。だが、それは必ずしも容易ではなく、病原体のほうが賢いこともある。例えばインフルエンザウイルスは偽装して人体に侵入し、免疫系に気づかれる前に増殖を始める。ワクチンは、病原体を早く見つける方法を教えることで、免疫系を支援する。

ワクチンにはいくつかの種類があるが、病気にならないように病原体やその部分を体内に導入する点ではどれも同じだ。ただし、体が免疫を構築する段階で、発熱などの軽い症状を引き起こす可能性はある。不活性化したり弱めたりした病原体そのものを使うワクチンもあれば、免疫系が反応する部分のみを使うものや、病原体が作る毒素を使うもの、病原体の遺伝物質を使うものもある。

ワクチンを接種すると、それらが免疫系への警告となり、病原体と戦うための抗体の生産が始まる。そして本物の病原体が現れたとき、体は即座にそれを認識し、病気になる前に撃退することができる。

ワクチンによる免疫は、何年も、あるいは生涯続くこともあるが、定期的に接種する必要のあるワクチンもある。インフルエンザを予防するためには、その季節に流行する可能性の高いウイルス株に応じて、大人も子どももワクチンを接種する必要がある。

安全性を疑問視する人たちの反ワクチン運動は根強くある。それでもワクチンは、麻疹やポリオなどの危険な病気の予防に必要不可欠だ。WHOの推計では、ワクチンが毎年200万~300万人もの命を救っているという。

今は多くの人が、新型コロナウイルス対策として、ワクチンに希望を託している。しかし、世界中に拡大を続ける新型コロナウイルスに対して、どの種類のワクチンが最も有効であり、いつごろ完成するのかを論じるのは時期尚早だ。

(文 AMY MCKEEVER、訳 牧野建志、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2020年4月14日付]

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