ウイルス対ワクチン 実用化まで苦闘の歴史2000年

日経ナショナル ジオグラフィック社

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試験中のインフルエンザワクチンが、ボランティアに接種される。ワクチンは、致命的な病気の予防に必要不可欠な役割を果たしている。(PHOTOGRAPH BY LYNN JOHNSON, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

2019年12月下旬以降、多くの人の命を奪っている新型コロナウイルス。それに対するワクチンを開発しようと、世界中の科学者が必死になっている。数十の企業や研究機関が先頭に立ち、記録的なペースで開発を進めており、いくつかはすでに臨床試験の第1段階を開始している。

多くの人がワクチンに期待を寄せているものの、一般の人がワクチンを使用できるようになるまでには、少なくとも1年から1年半はかかる可能性があると、研究者は警告し続けている。

ほとんどのワクチンは、病気を治さない。そもそも感染しないようにするためのものだ。ワクチンには病原体(またはその部分)が含まれるが、実際に病気にならないように、不活性化したり弱めたりしたものが使われる。ワクチンを接種すると、免疫系はその病原体について学習し、情報を蓄え、抗体を生み出す。そうして、次に同じ病原体が現れたときに、体がそれを撃退できるようにする。

ワクチンの誕生はわずか200年ほど前だが、病気が伝染しないように予防接種をするという概念には、もっと長い歴史がある。

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