お金がたまらない 財布をむしばむ3つのNGワード
なかなかお金がためられない「たまらない女」の人は、よく「無駄遣いはしていないのに、どうして」と口にします。でも本当に無駄遣いしていないのでしょうか。
何が無駄なのか、その人の価値観が左右する面はあります。ある人にとっては無駄に見えても、本人には絶対に必要ということがあるかもしれません。とはいうものの、自分では気付いていないけれど、実は無駄にお金を使っていて、そのせいでたまらないという可能性も大いにあります。
気付かないうちに無駄遣いしていないかどうか、財布をむしばむ3つのNGワードでチェックしてみてください。
「なんとなく」
なんとなくお金を使っているということはありませんか? 例えば、毎朝、通勤の途中でカフェに立ち寄ってコーヒーを買っている。特に飲みたいわけではないけど、なんとなく習慣になっている、といったケースです。こういう人は米国でも多いらしく、「ラテマネー」という言葉があるそうです。なんとなく買うのが習慣になっているカフェラテのような無駄遣いという意味ですね。
ほかにも、駅から自宅までの途中のコンビニに、用もないけれどなんとなく入ってスナック菓子やスイーツ、缶ビールなどを買ってしまうことはありませんか? こういう支出は1回あたりは少なくても、積もり積もってまとまった金額になります。
家でくつろぎながらスマホでメールをチェックしたり、SNSを見たりしていると、今までに買った商品に関連する広告が表示されることがありますよね。そうすると、それほど欲しかったわけでもないのに、なんとなく買ってしまってはいませんか。
買いたい、買わなければならないという必然性がないのに、なんとなく買い物をしていると、お金はたまりません。1日の自分の行動をたどって、習慣になっている支出がないか、確認してみましょう。
「ついで」
仕事用のパンプスが欲しかったのでお店に出かけると、気に入った商品が見つかった。レジに向かう途中で安売りのサンダルが目に入り、ついでに買ってしまった(でも、先月サンダルは買ったばかり)。あるいは、スカートを買おうと試着して、店員さんに「これにします」と渡すと、「ほかにお探しのものはありませんか」とか「そのスカートに合わせてこちらのニットはいかがですか」などといわれて、「じゃ、これもお願いします」と言ってしまう。スーパーのレジに並んで待っている間、近くの棚にあるガムやキャンディをついでにカゴに入れてしまう。
ついでに必要なものを買うということはありますが、必要でないものまで「ついで買い」することも多くないでしょうか。スーパーではついで買いを誘うために、レジの近くに手に取りやすいものを置いてあるとか。ネットでも、「この商品を見た人はこちらもチェックしています」といった仕掛けがあります。こういうものにひっかかっていては、お金はたまりません。
買い物の際は「目的のものだけしか買わない」という強い心構えを持ち、それ以外は見ないようにする、あるいは出かける前に買うべきものをメモして、それ以外は買わないといった工夫をしてはどうでしょうか。
「ごほうび」
自分でも「これはちょっと無駄遣いかもしれない」とうすうす感じているような場合でも、罪悪感をなくして買い物を正当化してくれる魔法の言葉、それが「ごほうび」です。「今週はよく働いたから」「今年は頑張ったから」といった理由をつけて「ごほうび」にしてしまえば、無駄遣いに見えなくなります。
「ごほうび」は悪いことではありません。でも、衝動買いの理由に使うのはNGです。お店やネットで見つけて、「ちょっと高いかも。でも今月はがんばったから」といって買うのは、ただの無駄遣いです。ごほうびがあまりに頻繁だったり、高額すぎたりするのもいけません。
ごほうびが行き過ぎないように、回数や金額に枠を設けておくとよいかもしれません。例えば、「1カ月に一度、○○でちょっとぜいたくなランチ、○○円まで」とか「年に一度はボーナスで国内バカンス、予算○○万円」といった具合です。そうすれば価値や満足感がもっと高まります。ごほうびは上手に使うことが大切です。
ついやってしまいがちな「なんとなく」「ついで」「ごほうび」。これをなくせば無駄な支出が減り、そのぶんを貯蓄することができます。きちんと貯蓄できているという人も、この3つをなくすことで、貯蓄に回す額を増やせます。NGな支出がないかどうか、日ごろの行動を振り返ってみてください。
オフィス・カノン代表。ファイナンシャルプランナー(CFP)、1級ファイナンシャルプランニング技能士。千葉大卒。法律雑誌編集部勤務、フリー編集者を経て、ファイナンシャルプランナーとして記事執筆、講演などを手掛けてきた。著書に「だれでもカンタンにできる資産運用のはじめ方」(ナツメ社)など。http://www.m-magai.net
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