元HKT48の兒玉遥 通ってきた道は間違ってなかった

日経エンタテインメント!

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2011年にHKT48の1期生としてデビューし、シングルのセンターを務めるなど活躍した兒玉遥。現在23歳の彼女は、19年6月に約8年在籍したグループを卒業、9月上演の舞台『私に会いに来て』で女優としての第一歩を踏み出した。3月12日からは、つかこうへい原作の舞台『改竄 熱海殺人事件』に出演。過去の同じ舞台で内田有紀、黒木メイサ、木崎ゆりあ、今泉佑唯らが演じた婦人警官・水野朋子役に挑んだ。

1996年9月19日生まれ。宮崎県出身。2019年6月に約8年間在籍したHKT48を卒業し、舞台『私に会いに来て』で女優デビュー。時間にも余裕が生まれた現在は「英語の勉強や1人での映画鑑賞が息抜き」と話す。エイベックス・アスナロ・カンパニー所属(写真:藤本和史)

「今回の舞台のオファーをいただいた時は、やっぱりプレッシャーを感じました。歴史のある作品ですし、過去の出演者も本当に実力のある方ばかりなので。実際に台本をいただいて読んだら、まずセリフの量に驚きました。1人で5ページ分続けて……なんて初めてでしたから。私が演じる水野朋子という役も、パートナーの刑事さんを相手に恋心を露わにしたり、急に怒り出したり、感情の変化が大きいんです。憧れは同じアイドル出身で、今の事務所の先輩でもある川栄李奈さん。川栄さんのような存在感を出せる女優さんになりたいです」

だが、アイドルの次に、女優という目標を見つけるまでには少し時間が必要だった。卒業までの約1年半、グループを離れて活動を休止。女優としての再出発はその休養中に決めたと言う。

「15歳でグループに加入してから、最初は無我夢中でした。ライブや握手会など、目の前のことに必死で突っ走っていましたね。3年くらいたつと少し周りを見る余裕も出てきて、勢いを持って活動ができていた気がします。ただ、徐々に自分の年齢も上がっていくし、グループにも新しい子たちが入ってくる。女の子のアイドルって、制服が似合う18歳から20歳くらいが全盛期なのかなって考えると、いつまでできるんだろうって思うようになって……。だんだん、ファンの方に求められる“元気なはるっぴ”というイメージに応えるのも、つらくなってしまったんです」

背中を押してくれたメンバー

「活動休止中は、周りにちょうど就職活動をする友達もいたので、自分も将来のことを考えるようになりました。実は芸能界はもうおしまいにしようと思った時期もあって、お休み中に心理カウンセラーの資格も取ったんです。自分がアイドルを続けるべきか悩んだ経験があったので、誰かを救うお仕事をできたらなって。

そんな時に励ましてくれたのが、谷真理佳(*)ちゃん。『はるっぴはステージで輝ける人だから絶対に辞めないほうがいい』と言ってくれて。その言葉で、私は人前に立つお仕事が好きなんだと改めて気付くことができました。そこから自分に何度も問いかけて、出てきた答えが『憧れの気持ちがあった女優さんに挑戦したい』ということ。私がもう一度、前向きに夢を追いかけられるようになったのは、あそこで一旦立ち止まる時間があったからだと思っています。

(*)HKT48.2期生。現在はSKE48所

実際にグループを離れてみると、やっぱり以前は周りのみんなに助けられていたと感じますね。昨年の初舞台の制作発表の時も、頼れるのは自分1人だけ。記者さんからの質問に答えながら、『こんな時、さっしー(元HKT48の指原莉乃)だったら何て返すんだろう』ってずっと考えていました(笑)。

女優としてはまだまだこれからですが、短い時間で歌詞や振り付けを覚えたり、急にステージの構成を変更したりと、アイドル時代に鍛えられた対応力は生かせるんじゃないかなと思っています。実は前回の舞台『私に会いに来て』では、着替えを忘れて前のシーンの衣装のまま出てしまったことがあって。お客さんの前に立った瞬間に、『あ、間違えた』って気付いたのですが、そのまま何食わぬ顔で演じ切りました(笑)。

振り返ると、アイドルとしての経験があったから、私は今の場所にいるんだって思います。悩んだこともあったけど、これまで通ってきた道は間違ってなかったって、今はそう考えていますね」

(ライター カネコシュウヘイ)

[日経エンタテインメント! 2020年4月号の記事を再構成]

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