休校ストレスの処方箋 最優先は「良好な親子関係」コロナ危機から子どもを守る(上)

2020/4/18

――デジタル技術は生かせませんか。

「子どもが受け身にならずに、他の子どもたちと主体的に関わり合う機会をつくるツールとして使えたらと思う。(テレビ会議などで)友だちと一緒に遊びを考えて楽しんだり、たわいもない会話をしたりして時間を共有できるといい。そういう仕組みづくりを考えることは、大人が子どもの視点になって、子どもが求めているものを知るきっかけにもなる」

オンライン授業は相互作用の場に

――オンライン授業の可能性をどうみますか。

「大人からの一方的な情報発信になってしまっては、子どもにとって面白くないものになってしまう。子ども同士が一緒に考えたり、発表したり、相互作用のある機会をつくることが大事だ。それができれば、オンライン授業は非常に有効だ」

――デジタル対応がすぐには難しい家庭もあります。学校の先生はどうすればいいでしょうか。

「オンラインは手段のひとつであって、いま大事なのは子どものさみしさや不安をやわらげること。はがきや電話などを使ってできることもある。それも学校からの伝達事項を送るだけでなく、子どもたちをつなぐようなものがいい。例えば、生徒から集めた自己紹介などのメッセージを寄せ書きみたいにして、みんなに配布してもいいのでは」

「休校が年度をまたいでいることもあり、新しいクラスの先生や友達の顔を見ないまま、自宅で孤立してしまっている子もいるはずだ。そういう危険なケースは、学校がアンケートなどを通じてできるだけ早い段階でキャッチし、場合によっては直接的なケアに入ることが不可欠になる。近所の大人がよく目配りするのも大事だろう。緊急時にはコミュニティーの力も問われる」

――長期戦を想定したとき、どんな心構えでいたらいいでしょうか。

「緊急事態だからこそ、できないことではなくて、できることを見つけようという前向きな姿勢が大事だ。もしひとりぼっちで食事をせざるを得ない子がいたら、自分はその子のために何ができるのか、そういうことを考えられるようになる。それは本当に大切なものは何かを問うきっかけにもなるだろう。家族の大切さを再認識し、家族という単位で何ができるのか、ポジティブに問い直すチャンスではないだろうか」

星山麻木
1960年、神奈川県生まれ。東京学芸大学音楽科を卒業後、養護学校の音楽教師を務める。退職後、障害児教育などの研究を進め、94年から東京大学大学院医学系研究科で国際保健学を専攻、97年に博士号(保健学)取得。鳴門教育大学助教授などを経て2006年から明星大学教授。音楽療法士でもある。

(聞き手は天野豊文)

今こそ始める学び特集
学生参加型コミュニティ 登録受付中
メールマガジン登録
注目記事
今こそ始める学び特集
学生参加型コミュニティ 登録受付中
メールマガジン登録