
鳥の滋養味に満ち溢れながらも、食べ進めるにつれて徐々に鰹節などの和味が顔をのぞかせる「らーめん」、麺を通じてスープと油のうま味がダイレクトに味蕾(みらい)を刺激する「つけめん」、自家製麺の上質なうま味がカエシによって更に引き立つ「あぶらそば」。
「オープン時から幾度も手を加え、スープに用いる素材も一新。今では、全く別物になっています」と語る大友店主。いずれの品も、それぞれのジャンルのトップクラスに位置付けられるべき名品ぞろい。一度、口を付けたら最後、丼が空っぽになるまで箸とレンゲを持つ手を動かし続けるしか術がないだろう。
つけ麺和(かず)
〈丼1杯に尋常ならざる情熱を注ぐ、ラーメン職人の鑑。都内東部のつけ麺名店の代表格〉
2018年1月、東武スカイツリーライン竹ノ塚駅から徒歩約3分という立地に、彗星(すいせい)の如く降臨した『つけ麺和』。

年の初めにオープンし、そのまま同年(2018年)を代表する新店の座を維持し続けた同店の実力は紛れもなく本物。オープンから2年余りが経過した今日においても衰えることがない。
それどころか、開業から2年の間に、看板メニューの「つけ麺」のブラッシュアップはもちろん、それ以外のメニューを立て続けに開発・商品化。いずれの品も固定ファンの人気を集め、歳月を経るにつれて着実に存在感を増している。

同店を切り盛りするのは、金井和繁店主。
東京を代表する実力店『つけ麺道@亀有』で修業し、満を持して独立。亀有と言えば、数多の優良店がしのぎを削るラーメン激戦区。そんな同地において頂点に君臨する名店『道』。その実力店でセカンドブランドの店長まで務め上げた店主の力量は、生半可なものではない。