在宅勤務で伸びるモバイルPC TV会議が快適になる大河原克行のデータで見るファクト

新型コロナが影響

モバイルノートPCの販売が好調なのは、やはり新型コロナウイルスの感染拡大の影響だろう。

感染が広がり始めた3月には、在宅勤務に取り組む企業が増加。3月末には、東京都の小池百合子知事が、週末の不要不急の外出自粛に加えて、平日もできるだけ自宅で仕事をすることを要請。そうした動きもあり、在宅勤務が一気に広がった。今回の集計の範囲ではないが、安倍晋三首相が4月7日に緊急事態を宣言したあとは、在宅勤務がいっそう浸透しているのは周知の通りだ。

もちろん、家庭内で利用するのであれば画面サイズが大きい15インチ型のほうが、表示範囲が広く作業しやすい。だが、在宅勤務だけでなく、新型コロナ終息後のレンタルオフィスやカフェでのリモートワークも考慮して、持ち運びが便利な13インチ型や14インチ型のモバイルノートPCを選択する消費者が増えているのだろう。モバイルノートPCにはリモートワークの利用を想定した機能を備える製品が多い。このため大手の家電量販店では在宅勤務用のノートPCを購入しに来た顧客には15インチ型よりも13インチ型のモバイルを薦めるという。

13インチ型の「ENVY x360 13」の販売が好調な日本HPでは、「もともと日本では自宅に執務スペースがなかったり、あっても狭かったりすることが多い。PCはできるだけ小さくしたいというニーズが13インチ型のモバイルノートPCの好調な売れ行きにつながっているのではないか」と分析する。

在宅勤務を支援する機能を搭載

売れ行きが好調な13インチ型のモバイルノートPCの中でも、NECパーソナルコンピュータの「LAVIE Pro Mobile」は1月から3月で最も販売台数を伸ばした。1月を「100」とすると、2月は「113.4」、3月は「260.6」と倍増した。とくに、標準モデルの「PM550/NAシリーズ」は、3月に「312.7」と、ウィンドウズ7サポート終了特需があった1月比で3.1倍もの売れ行きをみせた。

NECパーソナルコンピュータのモバイルノートPC「LAVIE Pro Mobile」。在宅勤務を支援する機能を備える(写真提供:NECパーソナルコンピュータ)

同社の担当者は、「LAVIE Pro Mobileは、外出先や自宅など、テレワークを行うユーザーのために開発されたモデルであり、現在は、『テレワーク特化PC』として訴求している」と説明する。確かに同モデルは約837グラムという軽さや約20時間の長時間バッテリー駆動、カーボン素材の天板を採用した堅牢(けんろう)性など、持ち運んで利用することを想定した仕様となっている。加えて在宅勤務を支援する機能を備える。

その一つが「ミーティング機能」だ。同モデルは高出力のステレオスピーカーを内蔵し、テレビ(TV)会議を快適に行えるという。ヤマハの信号処理技術をTV会議の支援に適用した。スピーカーは、発言者の声を鮮明にする処理を行う。1人で会議に参加する場合は音の指向性を狭めて聞きやすくする一方で、仮に1台から多人数が会議に参加して音声を聞く場合にはワンタッチでPCの裏側にも音声が広がって聞こえるようスピーカーの設定を切り替えられる。

ほかにもワンタッチでマイクのミュート(消音設定)をオンオフできるなど、TV会議に適した機能を備えるという。高解像度のカメラやステレオマイクを内蔵している点もテレワークに適している。

LAVIE Pro Mobileのほかにも、富士通クライアントコンピューティングの「FMV LIFEBOOK UH90/D2」や、dynabookの「dynabook G5」といった13インチ型が、3月に販売台数を急激に伸ばした。

新型コロナウイルスの終息時期はなかなか見通せず、在宅勤務の長期化は避けられそうもない。そうでなくとも働き方改革の一環で在宅勤務やリモートワークの機会は確実に増える。モバイルノートPCの販売好調は当面続きそうだ。

(ライター 大河原克行)

MONO TRENDY連載記事一覧
注目記事
MONO TRENDY連載記事一覧