男性グループでの活動は平均7年 30代の脱退増える
男性グループからの卒業・脱退は、女性グループに比べて少ない。卒業年齢は平均24.9歳と女性平均のプラス約3歳。活動年数は平均6年9カ月と女性より約1年強長い。そんな男性グループで近年目立つのが、関ジャニ∞の錦戸亮ら30代での脱退が増えていることだ。
女性ほどのメンバー交代はない男性グループのなかで大きく報じられたのが、19年9月に関ジャニ∞を脱退した錦戸亮。2カ月にわたって開催した15周年記念ドームツアーを完走した直後の発表、所属するジャニーズ事務所の退所もあって、ファンには大きな衝撃を与えることに。2月20日には、アリーナクラスの動員力を持つ超特急から、パフォーマーのユースケの脱退が発表された。
男性で過去1年にグループを離れた調査対象者は31人。平均年齢は24.9歳と、女性平均のおよそプラス3歳。24歳~26歳頃が卒業のピークとなる。平均活動期間は6年9カ月で、こちらも女性平均より約1年強長いという結果になった。
そもそも男性グループの場合、卒業・脱退者数自体が女性に比べて圧倒的に少ない。これは女性のようにメンバーの入れ替えを想定せず、固定メンバーで長く続けるグループ作りが根底にあるからだろう。メンバーがほぼ40代に突入しているTOKIO、V6、KinKi Kidsなどのように、男性は30代、40代になってもグループのまま活動できる余地が大きい。グループでの活動と並行して、ソロでも様々な展開をするというのがこれまでのスタンダードだ。
一方、37歳のAAA・浦田直也、34歳の関ジャニ∞・錦戸亮など、30代での脱退者がいるのが男性グループの特徴だ。活動休止のため、このデータには含まれないが、嵐とAAAのメンバーも現在30代。18年末をもって関ジャニ∞を脱退した渋谷すばる(当時37歳)、同年9月に解散したタッキー&翼(当時36歳/37歳)など、近年はこの世代で活動の方向性を改める動きが強まっている。
背景にはネットの広がり、ライブの隆盛など、メディア環境の変化がありそうだ。SMAP解散後、「新しい地図」として活動を始めた稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾はAbemaTVなど新興メディアに活躍の場を広げている。従来のファンともSNSなどでコミュニケーションの継続が可能だ。最も力を入れたい活動に注力する、そんな環境が作りやすくなった。キャリアを積んだ上でスタイルを変えるという流れは、今後も続くのかもしれない。
(ライター カネコシュウヘイ)
[日経エンタテインメント! 2020年4月号の記事を再構成]
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