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美容サロンの客激減 コロナ直撃ひとり親家庭の切実

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新型コロナウイルスの感染拡大は、非正規労働のひとり親家庭に深刻な影響を与えている。厚生労働省の調査によると、母子世帯の平均年収は一般家庭の約半分にとどまり、子育てのために非正規のパートや自営、フリーランスを選択する人も多い。

子どもの臨時休校やイベント自粛で休業を迫られたり、大幅な減収に陥ったりと状況は厳しい。このような状況で必要な支援とは。

持病持つ子ども抱え「入院したら働けない」

埼玉県の美容師、佐藤恵美子さん(41歳)は、9歳と7歳の女の子を育てるひとり親だ。臨時休校が始まってからは、学校の受け入れと学童保育を利用したり、子どもたちを勤め先に連れてきたりして働いている。しかし客足は一時、3分の1にまで落ち込んだという。来店客の減少は、歩合制で働く佐藤さんの収入に直結する。

「30~40代の母親の来店が、めっきり減りました。臨時休校で子どもは家にいるし、美容院は後回しなのでしょう。お客さんの中には、『人ともあまり会えないし、家では帽子でもかぶっておけばいい』と話す人もいます」

パートタイマーで働く女性の中には、商業施設の営業時間短縮でシフトを減らされ、カットやパーマの費用を削った人もいる。美容院は毎年3月は繁忙期だが、今年3月の収入は昨年3月の7割にも届かなかった。

しかし働き続けているので、臨時休校に伴う休業補償は受けられない。本人いわく「中ぶらりん」な状態だ。

元夫からの養育費は家賃に消え、生活費を支えるのはもっぱら佐藤さんの収入だ。臨時休校によって、子どもたちの昼食代や、家で取り組ませるドリル代など、出費もかさんでいる。

また次女には持病があり、新型コロナウイルスに感染すると、重症化するリスクを抱えている。学童や店での感染は怖いが、家で留守番させるのも難しい年齢だ。「下の娘が感染して入院したら、働けなくなってしまう。毎日おびえながら仕事をしている」。働けなくなる事態に備えて、アルバイトや副業のサイトを、ついチェックしてしまうという。

最も不安なのが「自粛ムードに終わりが見えず、先々の収入回復が見通せないこと」。ただ離婚後、仕事を増やしたため子どもと接する時間が減っていたが、「臨時休校で一緒に過ごす時間が増え、会話も多くなったのが、せめてもの救いかな」と話した。

来店客ゼロの週も 100円のチョコレート菓子買えない

「子どもと自分の2人分の食費すら困っている状態です。スーパーに行って子どもから100円のチョコレート菓子をねだられても『今日は我慢して』と言わなければならない自分が情けない」

前橋市の中野裕子さん(仮名、54)は、小1の孫と暮らす「祖母子家庭」だ。エステサロンを経営しているが、2月下旬から3月末までの収入は、数万円にとどまった。

例年3月は、卒業式や各種イベント、海外旅行後のスキンケアなどで来店客が増え、普段の倍以上の収入を見込めるという。しかし今年は新型コロナウイルスの影響で、増収どころか1週間、来店客のない時期すらあった。

一方で家賃や電気・ガスなどの光熱費は発生する。さらに「職業上、たとえネットで一箱5000円であっても、マスクは買わざるを得ない。店の消毒に使う次亜塩素酸水も高価で、仕入れ額はいつもの何倍もかかっている」と嘆く。

中野さん自身がシングルマザーとして、娘を育てながら20年間、サロンを経営してきた。現在は離婚した娘の子どもを預かっている。高齢でがんを患う母親や、子どもと離れて懸命にパートに励む娘に不安を与えたくないと、誰にも相談できずにいる。

中野さんは「自粛ムードはいつ収束するのか、常連客が戻るまで店の資金繰りを維持できるか、不安しかない。この1~2カ月でいいから、生活費をサポートしてほしい」と訴えた。

1日2食に減らして食費抑えるも4月・5月を乗り切れない

厚生労働省の2016年度の調査によると、母子家庭の母親の平均年収は200万円。同居家族の収入なども含めた世帯年収の平均額は348万円で、全国平均の約半分ほどだ。

シングルマザーの就労支援や相談事業にあたるNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」(東京・千代田)が3月2~5日、新型コロナウイルスに伴う影響を調査した結果、回答者232人のうち43%が「収入が減る」、5%が「収入がなくなる」と答えた。

同法人理事長の赤石千衣子さんは「米飯を雑炊にしたり3食を2食に減らしたりして、給食のない3月の食費増加を抑える家庭がかなり存在する。感染拡大の長期化も予想される中、こうした家庭が4月、5月を乗り切れるだろうか。状況はかなり危機的だ」と話す。

プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(東京・中央)代表理事の平田麻莉さんも「フリーランスの中には一定数、シングルで小さな子どもを抱え、やむなく組織に所属せず働くことを選んだ人がいる。彼らは大打撃を受けており、生活も困窮しかねない」と指摘する。同協会が3月3日に実施したアンケート調査でも、「公共施設の閉鎖に伴い、担当レッスンがすべてキャンセルされた」(フィットネスインストラクター)といった、ひとり親の悲鳴が相次いだ。

政府は新型コロナウイルスに関する臨時対策として、保護者が臨時休校を理由に仕事を休んだ場合、日額8330円の助成金(フリーランスは日額4100円)を支給するとしている。また収入の減った世帯に対し、現金給付も実施する。赤石さんは「ひとり親家庭を対象とした、児童扶養手当の増額なども検討してもらいたいが、ひとり親に特化した対策だけでは、社会的な分断を引き起こす懸念もある。児童扶養手当の増額に加えて、(新型コロナ対策の)現金給付が実現すれば、力強い支援になるだろう」と期待する。

どんな書類が必要? 分かりづらい行政用語

新型コロナ対策では、休業や失職、減収などで生計維持が難しくなった人に対して、無利子・保証人なしの貸付制度なども整えられている。

ただ、エステサロン経営の中野さんは「私たちは情報弱者なんです」と言う。

「制度があってもどこに相談すればいいのか、どんな書類が必要なのか分かりづらいし、申請書などにも難解な『お役所言葉』が並んでいます。不正を防ぐための審査にも時間が掛かるでしょうし、今月末に引き落とされる、目先の家賃をどう工面すればいいのか……」

平田さんは「制度申請の手続き書類なども、行政の用語を使った分かりづらい資料が多い。民間団体を活用するなどしていい意味での素人目線を取り入れ、分かりやすさを追求する必要がある」と強調した。

(取材・文 有馬知子)

[日経DUAL 2020年4月2日付の掲載記事を基に再構成]

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