完全無線イヤホン、AirPods Proのライバルは

アップルが「AirPods Pro」を2019年の秋に発売して以来、ケーブルが一切ない完全ワイヤレスイヤホンの中にアクティブ・ノイズキャンセリング(以下:ANC)機能を搭載する製品が増えている。AirPods Proが搭載するANC機能が注目される理由を解説しながら、同じ機能を搭載するライバルを紹介する。

ノイキャンと外音取り込みが人気の秘密

2019年10月末にアップルが発売した「AirPods Pro」(アップルの直販価格で2万7800円+税)。リスニング環境周囲の騒音だけを押さえ込む高精度なアクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載したワイヤレスイヤホンだ

AirPods Proは、長く続いていた品薄状態がようやく解消されて、今は待たずに購入できるようだ。筆者のまわりには前のAirPodsを持っているのに、AirPods Proを買い足すユーザーも多くいる。その理由の一つがANC機能だ。ANCとは、イヤホンの外側・内側に向けて配置したマイクで周囲の環境音を継続的にモニタリングして、音楽再生の邪魔になる交通騒音や人の話し声などノイズを打ち消す技術だ。

AirPods Proが人気のもうひとつの理由は、イヤホンの内蔵マイクで集めた周囲の音を、再生中の音楽とミックスして聞けるようにする「外音取り込み」機能。イヤホンで音楽を大音量で聴きながら屋外を歩いていると、思わぬ怪我を負ったり、事故に巻き込まれる危険性が高まる。ANCを搭載するイヤホンを常に身に着けたいならば外音取り込み機能は重要だ。

左がAirPods Pro、右がAirPods。新しいProのほうは本体がさらにコンパクトになった
AirPods Proのノイズキャンセリング、外音取り込み機能は本体の軸の部分に内蔵するリモコン、またはiPhoneの設定メニューからオン・オフを切り換える

最近はAirPods Pro以外にも「ANC+外音取り込み」を搭載する実力派の完全ワイヤレスイヤホンが出そろってきた。注目の製品をいくつか紹介しよう。

次のページ
Momentum True Wireless 2(ゼンハイザー)