ちなみに普段の部屋着でいると、仕事の合間に子供に見つかった時「仕事終わったんなら遊ぼうよ」とまとわりつかれてしまうのだとか。パパはお仕事中、ということを知ってもらうためにも、オンに近い服装は必須のようだ。
礼儀と快適さ、両立する服を探す
テレワークに向いた服装とはどんなものか、まだ模索中の人は多い。そこで、デジタル時代のカジュアル、「デジカジ」のポイントについて、ビジネスカジュアルの品ぞろえに力を入れているユニクロに聞いてみた。
まずシャツは、やはり襟付きが基本。家庭の椅子で長時間デスクワークをしていると体が疲れやすいので、腕や肩が動きやすい、少々ゆとりのあるオーバーサイズがおすすめだ。「相手に失礼に見えず、自分の快適さも追求できる。この2つが両立できる服を選ぶのがいい」という。
例えばユニクロが2月に発売したジャージー素材の「伸びる」ボタンダウンのように、伸縮性があり洗濯した後のケアも簡単なシャツは使い勝手がいい。腰回りがもたつかず、パンツにインしたスーツスタイルにも合わせられるという。襟がきれいにみえるボタンダウンのポロシャツはビジネス向きなうえに快適なアイテム。ユニクロは胸のポケットをなくしてデザインをすっきりさせた。
上半身だけが相手に見えるテレビ会議では「色」にも少し気を配りたい。都内の旅行会社に勤務する40代女性は「画面上の男性の顔色が気になる」という。「シャツ1枚で画面に映る場合には、色付きシャツもアリだと思います。顔色が明るく、生き生きとした印象になって、いつもとは違うイメージが魅力的に見えることがあります」。自身は濃いめの口紅やほお紅を強調して、血色がよく見えるような工夫をするそうだ。
いくつかの企業のテレビ会議の画面を見せてもらうと、トップスで圧倒的に多い色は白やグレー、薄いブルーだった。ならばいっそ、普段はあまり着ることがないカラーシャツに挑戦するのも、気分転換になって悪くない。
実際にユニクロ社員に色のきれいなリネンシャツを着てもらい、モニターに映し出してみた。ピンクや水色のシャツは顔が明るく映え、女性社員から「かっこいい」との声が多く寄せられた。リネン素材は華やかな色でも素材の特性から落ち着いた色調になるため、オレンジやイエローでもそれほど派手に映らないメリットがある。
テレビ会議で幹部らと相対する場合は、ちょっとかための服装にしたいという人もいる。そんなときに便利なのが、芯地が入っていないカジュアルジャケットや、最近種類が豊富になっているセットアップだ。セットアップはストレッチ性を取り入れ、しわになりにくいものが多く、プリント柄などラインアップも増えている。ユニクロでもこの1カ月ほど、感動パンツ&ジャケットのセットアップの売り上げが急伸しているという。

THE NIKKEI MAGAZINE 4月誕生!
Men's Fashionはこの4月、あらゆるビジネスパーソンに上質なライフスタイルを提案するメディア「THE NIKKEI MAGAZINE」に生まれ変わります。限定イベントなどを提供する会員組織「THE NIKKEI MAGAZINE CLUB」も発足します。先行登録はこちら