ワット数が低くても充電可能

市販の充電器はワット数が低いほど、サイズが小さく価格も安くなる。

実は、パソコン付属の充電器よりワット数が少なくても充電できるケースは少なくない。特に、最新モデルほど対応しているケースが多い。

例えば、45Wの充電器が付いているパソコンに、30Wの市販充電器で充電すると、充電に長時間かかる。また、充電しながら使うと、バッテリーが少しずつ消費されることもある。それでも、コンパクトで安価な充電器を使う選択肢は魅力的だ。

市販の充電器で低速でもよいから充電ができるのか、もしくはできないのかは、メーカーに問い合わせないとわかりづらい。使いながらの充電はできない場合でも、パソコンをシャットダウンしたり、電源オフの状態なら充電できる可能性が高い。

パナソニックのLet's Noteでは、画面に「充電速度が遅くなる」との警告が出るが、充電は可能だ。レノボのThinkPad X1 Carbon(2017年モデル)ではワット数が低い充電器では、通常稼働の状態では充電できないが、スタンバイ状態や電源オフ状態なら充電できる。

詳しいことがわからないなら、使っているパソコンに対応をうたっている充電器を選ぶのがお薦めだ。ワット数が見合っていても、相性の問題などで充電ができないケースも、まれにみられる。

最新充電器を紹介

最新の充電器をいくつか紹介していこう。他にも多くの充電器があるが、きちんとした日本語サポートをしているメーカーから買うのが安心だ。また、PSEマーク(電気用品安全法による対応マーク)が付いている製品を選びたい。

Anker(アンカー)の30W対応充電器。左から、PowerPort III mini(2999円)、PowerPort Atom PD1(3499円)、PowerPort Atom III Slim(2599円)。どのモデルも30Wの充電に対応する
アンカーのPowerPort III 3-Port(3999円)。海外での利用にも対応し、USB-C端子に加え、2つのUSB端子を搭載する。出力は45Wだ
アンカーのPowerPort Atom III Slim(Four Ports)(4299円)。45W出力で、3つのUSB端子を搭載する。自宅に据え置いたり旅行に携帯したりと便利だ
Innergieの60W対応充電器。左から、Innergie 60C Pro(Fold)(8900円)、Innergie 60C Pro(Intl)(9900円)。どちらも60W出力ながらコンパクトなタイプ

基本的には、ワット数が低い充電器ほど安くてコンパクトになる。ワット数が大きくてコンパクトな充電器は持ち歩きには向いているが、高価だ。外出先でパソコンを使いながらこまめに充電をしたいなら、ワット数の大きな充電器の方が向いている。

戸田覚
 1963年生まれのビジネス書作家。著書は150点以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。