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シスコシステムズアジア代表 鈴木みゆき氏

シスコシステムズアジア代表 鈴木みゆき氏

新型コロナウイルスの感染拡大対策もあり、テレワークなどIT機器を活用した働き方が広がっている。ネットワーク機器の世界最大手、米シスコシステムズの鈴木みゆきアジア地区代表は、多様性を認めて互いに信頼し合える環境をつくることが、企業の成長にもつながると考える。「リーダーは人に信頼されなければ務まらない。そのために誠実であることが欠かせない」が信条だ。

<<(上)社内も若手も意識を改革 自由・奇抜な発想を引き出す

――働き方改革が広がりをみせています。リーダーとしてどう考えていますか。

「例えば、テレワークで一人ひとりが自分のライフスタイルと仕事を調和させた働き方ができることは、社員にとっていい話でしょうし、会社にとっても採用活動でアピールポイントになるなどメリットが大きいはずです。結婚や出産、親の介護など、人生の場面は色々と変わります。そうした個人の事情を踏まえて仕事ができる環境を整えることが非常に大切な時代になってきたと思います」

「シスコではテレワークを活用して、アジア地区の社員は自宅からでも海外からでも、出張先からでも自由に仕事ができます。出社しない人をどう管理するのと聞かれることもありますが、こうしたことは技術だけではなく、業務プロセスや会社の風土に大きく左右されます。決済も電子化して紙を減らすとか、人事評価システムも電子化・ネットワーク化することが大切です」

「最も重要なことが企業文化です。トップが働き方を自由にするのだと常に強調しなければいけません。働く人同士の信頼も大事なポイントです。部下が自分の前に座って仕事をしていないと、『あいつサボっているな』と思うのではなくて、お互いに今週はこういうタスクを成し遂げるんだ、こういう目標を実現するんだと、決めることが大事です」

部下の気持ちを吸い上げるのもリーダーの仕事

――部下との信頼関係はどう構築するのですか。

「シスコには部下と上司が内密な情報や意見を毎週分かち合う仕組みがあります。部下が『今週はこれをやりたいので、こういう手伝いがほしい。でも、人間関係でちょっと摩擦があった』と伝えると、上司は『わかった、リソースを確保するけど、今週の目標としてはちょっとやりすぎじゃないか。摩擦については、この人に相談したらどう』といった具合にやり取りします。先週の仕事で何が一番楽しかった、何が一番つらかったという感情的な項目も共有できます。人との信頼関係はフェイス・ツー・フェイスでもいいし、ツールを介しても構わないのです。個人的には対面が好きなので、ツールだと時々鬱陶しく感じるときもありますけど」

――部下の感情的な部分を聞くこともリーダーの大切な役目ですか。

「まずは部下の仕事を客観的に評価することが第一です。でも、その人のプライドとか挫折感といった気持ちを吸い上げる、見える化することも大事だと思います。部下をどう動機づけるのか、どういう仕事が向いているのか見極めるには、その人が何を考え、どう感じているかを知ることが重要です」

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