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シスコシステムズアジア代表 鈴木みゆき氏

シスコシステムズアジア代表 鈴木みゆき氏

ネットワーク機器の世界最大手、米シスコシステムズでアジア地区代表を務める鈴木みゆきさんは、通信会社の日本テレコム(現ソフトバンク)や格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパン(千葉県成田市)などで、役員や社長として活躍してきた経験を持つ。2年前、シスコ日本法人社長から現職に就任。現在の自分の役割を「リーダーとして、若手が自由な発想を出せる仕組みをつくること」と考えている。

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――アジア地区代表に就任した際、どのように感じましたか。

「驚いたとともに、興奮して感動しましたね。日本と中国を中心とするアジア地区は無限の可能性を秘めています。これからデジタリゼーション(モノやサービスのデジタル化)で好機がどんどん開花すると期待しています」

「私はシスコでイノベーションを起こしたいと考えました。新しいビジネスの在り方や働き方、遊び方、暮らし方など、独創的なアイデアを生み出してビジネスや社会に貢献したいのです。アジアは東京をはじめ、インドのデリーや中国の上海など、人口1000万人規模の都市トップ10のうち7つがあります。今後、ITインフラの整備が非常に重要になるはずで、我々のビジネスチャンスが爆発的に広がっていくと見ています。これから次世代通信規格『5G』の導入が進むなかで、自動化や、あらゆるモノがネットにつながる『IoT』といった先端的な取り組みを、このアジアで試して世界に広げていければと考えています」

――多くの会社を経験してきました。どのようなリーダーを目指してきましたか。

「社会人になって38年、年を取ったなと感じます。私のキャリアはそれぞれの企業の転機に携わることが多かったのです。企業が転換点を迎えたときに現場のリーダーや経営層として挑戦して活躍できたのは、いい経験でしたし、大きな教訓を得ることができました。今は、デジタル技術を使って企業を変革する『デジタルトランスフォーメーション(DX)』が注目されるなど、ITビジネスの変革期にあります。ビジネスの在り方や価値観、顧客の感性の方向性がガラッと変わる時期に、私の経験をシスコのビジネスにどのように生かし、新しい価値を創造するのかを考えています」

日本テレコムでの経験が生きる

「リーダーとして必要な資質は、変革に敏感であることだと思います。シスコだけでなく日本テレコムなどで、転機をどうビジネスチャンスに変えるのか、洞察力が問われました。ジェットスター社長だったときは、空の旅を経験したことのない人たちに飛行機に乗ってもらうために、夢のあるサービスを提供するにはどうすればいいかを考えていました。IT業界では、人と人をつなぐ技術やサービスをどう磨けば対話が豊かになるか、という発想で取り組んでいます」

――日本のシスコではどんな変革に取り組んだのですか。

「当時の米国本社社長だったジョン・チェンバース氏(元会長)から、日本担当の社長に任命された際、『日本事業は2桁成長を3年間、5年間と続ければ、シスコ全体の10%くらいまで成長できるんじゃない』と言われました。最初はああそうですかと聞いていたんですが、日本に帰国する途中で、とんでもない数字を期待されていると気付いてパニックになりました」

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