絵を描いていると、だんだんと心が解放されてくるのが分かる(画像はイメージ=PIXTA)

私に今できることは、なんだろう?

以前から習っている油絵で、お礼はできないだろうかとも思ったのだが、大げさな感じになりそうな気もする。もっとさりげなく、水彩画で手作りのグリーティングカードを描いて送るくらいにすれば邪魔にならないし、メールより丁寧に感謝の気持ちを伝えられるのではないか?

閉塞感いっぱいの今だから、むしろ時間をかけて丁寧に何かをやってみたかった。

ちょうど桜が風に花びらを散らす季節になっている。それを描いてみよう。

水彩画は油絵より簡単だと思われがちだが、実はこちらの方が難しいと言ったら意外だろうか。私の絵の先生は、失敗しても上から絵の具を重ね塗りして全部無かったことにできる油絵の方が、初心者向けだと教えてくださった。もちろん油絵には油絵ならではの深い魅力もある。あとは好み次第だ。

とにかく、絵はいい。その一枚に、画家の感情があふれている。対峙していると、胸の中がかき乱されるような感覚になる。しばらく、なすがままに感情の海を漂っていると、やがて心が解放されていくのがわかる。その時の気持ち良さったらない。

だから、どちらかと言うと描く派より見る派の私だが、それでも描いているときには何もかも忘れて心から絵の具との戯れを楽しんでいる。子供の頃やった泥んこ遊びに似ていると言ったら伝わるかな?

さてと。パレットに絵の具を絞って、筆先に水を含ませて、丁寧に最初の一筆を紙の上におこう。何事も、いつも、この気持ちから始めることを忘れないように。

高木美保(たかぎ・みほ)
1962年生まれ、東京都出身。84年、映画「Wの悲劇」でデビュー後、ドラマ「華の嵐」の主役をはじめ、NHK大河ドラマ等に出演。またバラエティー番組にも挑戦し、人気を集める。98年11月、自然と共にある生活を求めて、栃木県那須高原に住まいを移し、農業にも取り組む。現在は芸能活動に加え、講演や執筆業など幅広い活動を展開。著書多数。
「健康」「お金」「働く」をキーワードに、人生100年時代を生きるヒントとなる情報を提供する「ウェルエイジング」を始めました。
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