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働くママをサポート 企業コンシェルジュが私生活支援

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企業向けにコンシェルジュサービスを提供するTPO(東京・港)を経営するマニヤン麻里子さん。国内外でさまざまなキャリアを積み、フランス人の夫との国際結婚と2度の出産を経て、社会を変えたいという思いで起業したマニヤンさんのストーリーをお伝えします。起業するまでの経緯や仕事と家庭の両立についてなど、多くの壁を乗り越えてきた「私が壁を乗り越えたとき」を伺いました。

シッターや介護施設探し、子どもの留学先調べまで請け負う

2016年7月、日本で初めて「コーポレートコンシェルジュ」サービスを始めたのが、10歳の男の子と8歳の女の子のママで、TPO代表取締役のマニヤン麻里子さん。聞き慣れないこの「コーポレートコンシェルジュ」なるサービス、一体どのようなものなのだろうか。

「当社が展開している"YourConcierge"というサービスは、契約企業のオフィスにコンシェルジュを常駐させ、そこで働いている人たちのプライベートをサポートするというものです。働いている人たちが、不安に思っていること、困っていることを、ジャンルを問わず、何でもお手伝いします。

共働きの母親のタスクは、数限りなくあります。例えば、仕事のためにベビーシッターさんを頼もうにも、まずどんなシッター会社があって、どこが信頼できるのか、入念に調べることから始めなければいけません。でも私たちコンシェルジュに依頼していただければ、シッター会社のリストアップから予約・手配までを請け負います。さらに、勤務先企業の福利厚生で、依頼人が使えそうな割引制度がないかどうかも調べます。これはほんの一例です。

働く母親は、プライベートでも、煩雑で時間をかけて考えないといけないことが意外にたくさんあります。それらをお任せいただくことで肩の荷を下ろし、仕事にまい進できるような環境を整える役目を担います」。マニヤンさんは耳になじみのないサービスについてこう説明します。

もちろん、契約企業の社員であれば、共働きでなく誰でも、このサービスを利用できると話します。「例えば、介護中の親のために車椅子を探している人から、『何を購入すればいいのか分からない』『ケアマネジャーと話がうまくかみ合わない』といった相談を受けることもあります。『不妊治療を始めようか迷っている』といった繊細なご相談をいただくことも。一方、『親子3世代でパリに行きたいから、みんなが楽しめる旅行プランを考えてほしい』といったカジュアルなご相談もあります。内容を問わず、プライベートのことならまず相談に乗る、というのが、この"YourConcierge"というサービスなのです」(マニヤンさん)。

「to B」にこだわったのは「社会を変えたかったから」

「起業するに当たり、特にこだわったのは法人と契約する『to B』のビジネスモデルにすることでした」とマニヤンさんは振り返ります。

「サービスを利用する個人と直接契約する『to C』のビジネスモデルにしてしまうと、その個人の負担が大きくなり過ぎます。コンシェルジュサービスを個人で払えるなんて、よほど生活が潤っている一部の人しかできないことです。

もともと生活が潤っている人が、さらに楽になるサービスを提供したところで社会は変えられません。生活のために仕事をしている大多数の共働き子育て家庭や介護負担のある人たちをサポートしなければ、多様性のある社会は実現しないのではないでしょうか」

こうしたコーポレートコンシェルジュサービスは、マニヤンさんが20代の前半を過ごしたフランスでは、大企業の6割以上が導入しているといいます。

「1999年にフランスで最初のコーポレートコンシェルジュサービスが立ち上がったのですが、実はその頃、フランスでは、大企業の倒産や社員の自殺が相次いでいて、大企業や起業家によるイノベーションが求められるようになっていました。そこで国を挙げて社会を変革しなければ経済が成り立たなくなるという機運が高まり、企業側が、多様な人が無理なく働くことのできる職場環境の実現に取り組むようになりました。

こうして女性の社会進出を支える環境を国挙げて整えてきたからでしょうか。フランスは今、先進国で唯一、出生率を上げている国になっています」(マニヤンさん)

そうしたフランスの事例を参考に、企業の福利厚生サービスとしてのビジネスモデルを確立したマニヤンさん。現在の契約企業の中には、電通や三菱地所(ザ・プレミアフロア丸の内)、NTTデータ(一部事業部)など、日本を代表する多くの大手企業の名前が並びます。

マニヤンさんが日本初のサービスを引っ提げてTPOを立ち上げ、名だたる企業と契約を結べるようになるまでには、どんな紆余(うよ)曲折があったのでしょうか。

働く母親の活躍をはばむ壁を自ら実感して起業

マニヤンさんは、フランスの大学院を卒業後、フランスの出版社でグローバルマーケティングを担当していました。3~9歳までニューヨークで育った帰国子女のマニヤンさんにとって、フランスの企業で働くことに違和感を覚えることはなく、むしろ働きやすさを感じていたといいます。

しかし、家庭の事情もあり日本に帰国することに。日本での再就職先として見つけたのは外資系金融業界でした。

「再就職先を探す上で、友人知人など多くの人に相談し、話を聞いたのですが、外資系金融の働き方が一番自分に合っている気がしました。スピード感もあるし、性別に関係なく、成果が評価につながる。女性でも全力で働けそうだなと思って、経験のない異業種に飛び込みました」

実際にマニヤンさんに外資系金融業界はマッチしていたようで、そこから13年もの間、金融商品の開発や営業、マーケティングなどさまざまな経験を積みました。2人の子どももその頃に出産しています。「働く女性に理解のある環境だったのもありがたかったですね」

しかし、かねて胸のうちに「もっと新しいことにチャレンジしたい」という思いを抱え、いつしか起業を夢見るようになっていたといいます。

「外資系金融業界にいた頃に、日本企業のチームに所属する機会があり、多様性を受け入れるという意味では日本企業はあまり進んでいないのかもしれないと感じていました。日本人の多くが画一的に働く姿にも違和感を持っていました。

また私も、いくら外資系金融業界が働きやすいといっても、2人の子どもの母親としてやらなければいけない家のことは山積みでした。今、子どもたちは10歳と8歳ですが、企業側のサポートは、あっても就学前までです。就学後のサポートはほぼないに等しいのです。

でも就学後は『教育』という新たなステージに入り、子どもの人間関係で悩むことも増えます。母親の仕事は減るどころか、実は増えるばかりです。PTA業務もあれば、子どもがお世話になっているピアノの先生へのプレゼントを考えて買いに行く、といった仕事もあります。日々新たに発生する無数の細かいタスクを抱え、フル回転しているというのが世のお母さんたちなのです」(マニヤンさん)

自身も当事者として、働く母親の活躍をはばむ、大きな壁の存在を熟知していたマニヤンさんは2016年7月、ついに、起業に踏み切りました。二人の子のママとして、「日本における女性の働きにくさを改善し、将来わが子が働きやすい社会をつくらなくては」との思いもあったといいます。

そして3年後の今、サービスを提供している会社は13社。メンバーも30人を超えるまでになりました。

マニヤン麻里子
TPO代表取締役。10歳の男の子と8歳の女の子のママ。一橋大学社会学部卒、仏HEC経営大学院修了。東京で生まれ、3歳から9歳までニューヨーク、21歳から24歳までパリで過ごす。パリの出版社にてグローバルマーケティングを担当。帰国後、仏ソシエテ・ジェネラル証券、米ゴールドマン・サックス証券会社等で金融商品開発や営業に従事後、2016年にTPOを起業。

(取材・文 磯部麻衣)

※業績の数字や年齢は取材時のもの

[日経DUAL 2019年12月2日付の掲載記事を基に再構成]

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