打ち合わせの黄金時間 最後と終了後の5分を大事にクリエイティブディレクター 佐藤可士和(5)

大切なポイントをまとめ「自分議事録」を作成する

自分のタスクを整理する「自分リマインド」に加えて、「自分議事録」を作ることもあります。打ち合わせが終わると、多くの人が「終わった~」とホッとしてしまうものですが、ホッとするのはまだ早いのです。打ち合わせ直後が勝負の分かれ目なのです。

打ち合わせが終わった瞬間に、ほんの5分でいいので、その打ち合わせについて振り返って考えてみましょう。まだ打ち合わせの高揚感が残っているうちに、打ち合わせについて大事なポイントを整理してみる。

そうすることで、しっかりと打ち合わせの大事なポイントを頭に焼き付けておくことができます。終わってホッとして、何もしないままだと、これができない。終わった直後に行うからこそ、頭にインプットしておくことができるのです。

言ってみれば、まだ脳は打ち合わせのときのまま、フル回転したままになっているのだと思います。この回転をしているままのときに、やっておく。回転が止まり、冷めてしまったら、大事なところが拾えなくなる危険がある。

打ち合わせを進行する上での最後の5分間と、打ち合わせが終わってからの5分間を、僕は「黄金の時間」と呼んでいます。

打ち合わせに出席した、いろいろな人のイメージがぶつかり合い、いろいろなエッセンスが頭の中に入り、脳が最も活性化しているのが、打ち合わせの最中です。

その終わりに、打ち合わせの成果であるべき具体的な「実作業」まで話を落とし込むのが、最後の5分。

そして打ち合わせが終わってからの5分は、その余韻が残って脳が活性化しているうちに、いろいろなことを簡潔にまとめる時間です。これは、プロジェクトを進める上で、本当に活きてくる貴重な時間なのです。ところが、多くの人が黄金の時間、とりわけ終わってからの5分間を活かせていない。

全体の議事録は、もちろん議事録担当者が取っています。しかし、この終わってからの5分に作るのは「自分議事録」です。

10も要素があったら、とても覚えられませんから、大事なことを5つほど。自分がやるべきことをピックアップするアジェンダ=「自分リマインド」と同様に、自分が大事だと思ったこと=「自分議事録」もメールで自分に送ってしまうといいでしょう。

長い打ち合わせを、例えば5つのポイントにまとめるわけですから、大局観を養うのにも、いい訓練になります。終了後の5分間を、ぜひうまく使ってほしいと思います。

POINT
▼打ち合わせ後も気を抜かない
▼脳が冷めないうちに、打ち合わせを振り返る
▼「自分議事録」をメールで自分に送る
佐藤可士和
撮影:尾鷲陽介
クリエイティブディレクター。慶応大学特別招聘教授、多摩美術大学客員教授。
1965年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。博報堂を経て「SAMURAI」設立。主な仕事に国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユニクロ、楽天グループ、セブン-イレブン・ジャパン、今治タオルのブランドクリエイティブディレクション、「カップヌードルミュージアム」「ふじようちえん」のトータルプロデュースなど。著書に『佐藤可士和の超整理術』『佐藤可士和のクリエイティブシンキング』など。

佐藤可士和の打ち合わせ (日経ビジネス人文庫)

著者 : 佐藤 可士和
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 880円 (税込み)

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