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Oさん(30代)は、外資の製薬会社でシステム整備の仕事をしている。会社でテレワークが導入されたのは約10年前、今や、海外のスタッフはほぼ在宅勤務で仕事をし、日本の社員も申請をすれば誰でもいつでもテレワークができる環境だ。
「新型コロナウイルス感染防止もあって、日本オフィスの在宅勤務率は上がりました。私もそれまでは週2回、在宅で仕事をしていましたが、今は一時的に、在宅を基本にして、用があれば出社するというスタイルに切り替えています」
【スゴ技8】顔が見たいときは迷わず出社する(※非常事態宣言の期間が終わったら)
申請次第で100%在宅勤務の働き方も選べるが、Oさんは時々出社できるようにしたいという。なぜなら、「たまにはチームメンバーの顔を見たくなるから」
「今はチームで週に1回、みんなで出社する日を決めています。それでも日々のやり取りでちょっとメンバーの顔が見たいなと思うときは、出社しています。在宅も出社も、効率を上げるために選択しているだけなので、出社したほうがスムーズに進みそうだなと判断したときは迷わず出社しています」
新型コロナで非常事態宣言が出ているこの時期は難しいが、宣言が終了したらこうした行動も再開することになりそうだ。
【スゴ技9】自分の中で定時を決める
Oさんが在宅勤務を実践する中で一番の課題は、「エンドレスに仕事をし過ぎてしまうところ」だという。
「始めたころは、話しかけてくる人がいないので集中し過ぎてしまって、休憩も取らずにひたすら座りっぱなし。しかも、在宅勤務のほうが残業時間も長くなってしまったんです」。そこでOさんが始めたのが、「自分で定時を決めること」。
Oさんは定時を17時半に設定している。朝6時から家族が起きてくる7時までは仕事のメールをチェックし、洗濯や食事などの家事を済ませて、9時半に始業。17時半まで、お昼休憩をはさんで集中する。「定時を過ぎたら、なるべく翌日のタスクにして切り上げます」
【スゴ技10】仕事場は植物とアロマでリラックス
それでもつい、仕事に没頭し過ぎてしまうため、自宅で仕事をする環境をリラックスできる場所に整えたという。

「自分の好きな香りのお香やアロマをたいて、少しでも気分が安らぐようにしています。会社だと他の人もいるので、香りを楽しみながら仕事をするのは難しいですよね。デスクには植物を置いて、自分が落ち着ける場所にしています」
(取材・文 長野洋子=日経doors編集部)
[日経doors 2020年3月13日付の掲載記事を基に再構成]