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イスラエルが「中東のシリコンバレー」と呼ばれる理由とは

イスラエルが「中東のシリコンバレー」と呼ばれる理由とは

中東のシリコンバレーと呼ばれるイスラエルでは、スタートアップの動きが盛んだ。彼らはなぜ起業し、成長し続けられるのか。答えはイスラエル国防軍にあった。今回紹介する『タルピオット イスラエル式エリート養成プログラム』では、元インストラクターがイノベーションを生み出す秘訣を紹介している。

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石倉洋子氏

石倉洋子氏

著者の石倉洋子氏は、1949年生まれ。71年に上智大学外国語学部を卒業し、フリーの通訳などを経て米国で経営学修士号(MBA)と同博士号(DBA)を取得。

マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社で企業戦略のコンサルティングなどを手がけた後、青山学院、一橋、慶応義塾の各大学・大学院で教授を務めました。現在は一橋大学名誉教授です。

ナアマ・ルベンチック氏

ナアマ・ルベンチック氏

共著のナアマ・ルベンチック氏は、1992年イスラエル生まれ。高校を卒業後、3年間イスラエル国防軍のトップ情報収集部門の「8200部隊」という部署で勤務。国防軍では情報収集コースのインストラクターに選ばれています。退役後、テルアビブ大学に進学し、その後在イスラエル日本大使館に勤めます。2018年に文科省の奨学金で京都大学大学院経済学研究科に留学。現在はイスラエルでフリーのコンサルタントとして活躍しています。

楽天やソニーが企業買収

近年、イスラエルへの関心が高まっています。イスラエルは、特にハイテク産業に強く、スタートアップも数多く生まれています。こうした点に注目し、欧米グローバル企業は1970年代ころから進出していました。

2015年1月の安倍晋三首相の中東歴訪に合わせ、日本貿易振興機構(ジェトロ)はイスラエルとのビジネス・産業協力強化のためのビジネスフォーラムを開催しました。この流れを受け、日本でもイスラエルに目を向け始める人が増えてきています。

  やがて日本企業の動きも目立つようになってきた。2014年には楽天が、スマートフォン向け無料通話サービスのバイバー・メディアを 9 億ドルで買収。2016年には ソニーが、半導体メーカーのA l t a i r S e m i c o n d u c t o r (以下、アルティア)を 2 億1200万ドルで買収した。田辺三菱製薬は2017年に、医薬品ベンチャーのニューロダームを11億ドルで買収している。
  このほか、武田薬品工業、SOMPOホールディングス、デンソー、富士通、SBIホールディングス、村田製作所、トヨタなどが、さまざまな形でイスラエルに進出して いる。外務省の統計によると、2018年10月1日時点で日本企業 71社がイスラエルに 拠点を置いている。 5年間で約3倍に増えた計算だ。
(第1章 「中東のシリコンバレー」イスラエル 29ページ)

進出の背景には、イスラエルが日本企業には生み出せないイノベーションを生み出し続けているからという理由があります。イノベーションを生み出すための秘密としてまず挙げられるのは、国全体に共通する考え方です。

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