次世代K-POPのSEVENTEEN メジャー契約なしでも大飛躍

日経エンタテインメント!

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K-POPのボーイズグループで次世代を担う筆頭格とみられているのがSEVENTEENだ。日本でのメジャーレーベルとの契約がないにもかかわらず、コンサートで動員を伸ばし人気グループに。新型コロナウイルスのため残念ながら中止となったが、待望のドームツアーも決まっていた。東京・大阪・福岡・埼玉の4つのドームで8公演を行い、35万人以上を動員予定だった。

SEVENTEEN

メンバーは、韓国のほか中国、アメリカを含む多国籍。身長差もキャラクターの違いもある13人は、「誰でも必ず推しが見つかる」ほど、バラエティに富む。だが、ひとたび踊れば一糸乱れぬ正確さで振りをそろえ、美しい統一性を発揮。おまけに、自分たちで作詞・作曲・振り付けなどをこなすクリエイティブ能力を持ち合わせている。いずれも、次世代のK-POPグループを代表する特徴と言えるだろう。

彼らの歩みは、独自のものだった。結成が発表されたのは2012年。以降、ネット配信番組『SEVENTEEN TV』を通してそれぞれのキャラクターを伝え、グループへの期待感を高めた。その間に複数回に及ぶコンサートも経験したが、ようやく韓国デビューを果たしたのは15年。以降は多くの新人賞を受賞するなど華々しいスタートを切った。

翌16年には日本でファンクラブが発足し、初の日本でのコンサートを大阪・グランキューブ大阪、東京・中野サンプラザで開催した。17年には2回目の日本ツアーを敢行し、この時点で会場は横浜アリーナの規模に飛躍する。その後、日本でも韓国盤だけをリリースする状態が続いたが、それにもかかわらずオリコンの週間チャートでは最高位2位をマーク。18年、ようやく日本デビューを果たした。

韓国の情報がリアルタイムで入手できる時代であり、K-POPファンにとっては、韓国盤のまま曲を聴くのは当たり前。日本のファンにとっては、コンサートツアーやファンミーティング、握手会やサイン会などの接触系イベントがあれば、日本デビューの必要性はさほど感じないのが大方だろう。

日本盤をリリースする前からセールスもライブ動員も十分だったことがわかる。この傾向は他のK-POPアーティストも同様だ。5月9日からのドームツアーは中止。

日本市場のさらなる開拓へ

しかし、それだけではより大きな市場を目指すことは難しい。日本盤を出すことは、テレビやラジオなど既存メディアでのオンエアにつながる。さらに言えば、18年にさいたまスーパーアリーナで史上初のスタジアムモード(最大3万7000人収容)5公演を成功させた彼らにとって、次なる目標はドームしかなかったはずだ。

SEVENTEENは、いまだに日本でのメジャーレーベルとの契約はない。開催条件が厳しいと言われる東京ドーム公演を実現するために必要だったことは何か。過去の協力関係から察するに、日本デビュー前からタッグを組んでいたローソン・HMVと、ディスクガレージなどの存在が大きいのではないだろうか。こうした“協業”的なスタイルも、今のビジネスに則した形なのかもしれない。この春、体制に変化があるとも聞く。20年、より裾野を広げるべく、SEVENTEENは新たなフェーズに入る。

4月1日には、書き下ろしの2ndシングル『舞い落ちる花びら(Fallin' Flower)』を発売。ワールドツアー「Ode to You」は自身初となるヨーロッパ単独4公演も含めた30公演の予定だったが、新型コロナウイルスの影響で、2月22日以降のマレーシア、台湾、ヨーロッパ公演は中止に。

(ライター 横田直子)

[日経エンタテインメント! 2020年4月号の記事を再構成]

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