ジョブハンティングという考え方

人材採用業界にはヘッドハンティングという分野があります。最も一般的な採用の手法はいわゆる文書募集というスタイルで、「求人票」や「求人広告」を、インターネットサイトや情報誌や折込チラシというメディアに掲載し、求職者が自主的にそれらの求人情報を検索して応募を行う形態です。

ヘッドハンティングは、企業側がぜひうちに来てほしいと考える人材を指名買いするような形で、転職活動すらしていない人にアプローチしていく形態です。企業の代理人として動くのがヘッドハンターです。

最近は求人サイトに登録してスカウトを受信する形態にも「ヘッドハンティング」という言葉が使われますが、これはあくまで転職サイトのオプションのひとつで、実際のヘッドハンティングとは異なります。

このヘッドハンティングの考え方を180度逆にしたものが「ジョブハンティング」です。

45歳を過ぎると、「行きたい会社ややりたい仕事はあるが、募集していない」「募集している企業はすべてアプローチしたが、書類選考すら通過しない」と嘆く人が急増します。応募している企業を選別しすぎているというケースも多いのですが、もう少しさかのぼると、「募集している企業は少ないのだから、募集していなくても自分を売り込みに行く」という能動的な選択があってもいいのではないかということです。

とはいえ、大企業に対してはこのアプローチは現実的にはなかなか難しいですが、中堅中小企業へのアプローチの選択肢としては十分にあり得ます。特にご自身が業界研究や企業研究を通じて知った企業の中に、経営者の創業の想いや独自の戦略や技術などでほれ込める要素のある会社があれば、直接その企業の経営者に「自分がどんな経験スキルを持っていて、貴社でどんな活躍ができそうか」ということを訴える手紙を書くことはできるはずです。

日々深刻化するコロナショックの影響を受けて、中高年の転職活動はかつてないほどに難しくなり始めています。

この壁を突破していくためには、自分自身の質的な優位性を売り込める領域がどこか、自分の過去の経験を振り返って、自分が持つ能力の中で、相対的に強みといえるものは何かを、あらためて掘り下げて考える必要があります。スキルや経験だけではなく、「仕事の進め方」や「周囲の人とのかかわり方」「かかわってきた顧客や市場の特性」など、定性的な観点も含めて、自らの売りになりそうな長所や強みをピックアップし、その強みが求められそうな企業、地域、業界、仕事を探していく能動的なアクションが不可欠になります。

「自分がやってきたことを生かしたい」とか「いまさら新しいことはできない」という思い込みやこだわりは、選択肢を狭めるだけです。あらゆる既成概念にしばられずに、フラットに強みを生かせる場所を探すことで、自分の力で可能性を押し広げていただきたいと思います。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。2019年、中高年のキャリア相談プラットフォーム「Can Will」開設。著書に『転職に向いている人 転職してはいけない人』、ほか。「Career Release40」 http://lucentdoors.co.jp/cr40/ 「Can Will」 https://canwill.jp/

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