欲しいのに買わない? 「buy=買う」とは限らないデイビッド・セイン「間違えやすい英語・聞き手編」(43)buy

相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回は「買う」という意味のbuyを使ったフレーズをご紹介したいと思います。

◇  ◇  ◇

ユウカは新製品のプレゼンのために、お得意様を訪れていました。製品の説明をひと通り終えて、クライアントの反応を見たのですが、少し迷っている様子。そこで、実際に製品を使ってもらおうと、サンプル提供の提案をしてみました。相手もそれを受け入れ、前向きなのかとと思ったのですが、相手からの発言が意外なものでした。

それはこんな会話でした。

Yuka: I'd like to finish the product presentation here.
Client: Hmm...It is a nice product...
Yuka: How about we provide a one-time sample for you to try?
Client: That's a nice idea. Let's do that.
Yuka: Your company is always looking out for us, so I wanted to introduce this product to you before anyone else.
Client: Wait. I don't buy that.
Yuka: S-so you don't want the sample?
Client: No, we'd like a sample please.
Yuka: Okay...

日本語に置き換えてみると次のようになります。

ユウカ:これで商品のプレゼンを終えたいと思います。
クライアント:いい商品だとは思うんだけどな。
ユウカ:一度サンプルをお試しになるのはいかがでしょうか?
クライアント:そうだね、そうしてみるよ。
ユウカ:いつもお世話になってるので、御社に一番にご紹介したかったんです。
クライアント:待てよ。その手には乗らないぞ。
ユウカ:え、サンプルをお試しになるんじゃ?
クライアント:ああ、サンプルはお願いするよ。
ユウカ:わかりました……。

上記は、新製品のプレゼンを終えた後のユウカとクライアントの会話です。buyという単語を使った相手の発言にユウカは戸惑います。ビジネスの話をしていて、buyと聞けば、もちろん「買う」「購入する」という意味にとりますよね。しかし、このクライアントの使ったI don't buy that.に使われているbuyは「買う」ではなかったようです。

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