入社数年の転職にコロナの逆風 成功に必要な3要素

――中途採用市場で若手の需要が伸びる中、入社後数カ月や1年以内に退職しても転職できますか。

「1年以内だと厳しいかもしれません。『入社して1年以内』と『入社2、3年目』には企業の受けとめに大きな違いがあります。今も昔も『入社1年以内』の転職者は『早期離職を繰り返すのでは』という懸念から敬遠されやすいのです。一方、最近は未経験者を歓迎する求人も多く、入社2~3年目の若手への需要は非常に強くなっています」

「入社2~3年目の若手層の採用基準は主に(1)社会人になって何か成し遂げたか(2)コミュニケーション力(3)人間性――の3つです。社会人はたとえ1年や2年の短い期間でも、『営業成績が同期でトップ』など何かを成し遂げた経験は高く評価されます。就職活動時は売り手市場だったため、しっかり自己分析する前に内定をもらった人も少なくないと思います。しかし転職する際は『前の会社では何が合わず、転職先では何が合うと思うのか』『転職先でこれまでの経験をどう生かそうと考えるか』などを自己分析して、上手に伝えられるようにコミュニケーション力を磨いておくことが重要です」

「人間性については(1)前職でうまくいかなかった原因を他者や職場環境のせいにしていないか(2)うまくいかないことや苦手なこと、難しい仕事を乗り越えた自信があるか(3)自分の弱さを認める素直さがあるか――が問われます。若手の場合は特に、自分が悪かった点も含め、最初の会社をやめようと思った理由を真摯に語ることが大切です」

――若手の転職で成功しやすい例と失敗しやすい例について、それぞれの特徴を教えてください。

「成功の可能性が高い転職先としては、成長産業が挙げられます。例えばクラウド経由でソフトウエアを提供する『SaaS(サース=ソフトウエア・アズ・ア・サービス)』や次世代移動サービス『MaaS(マース=モビリティ・アズ・ア・サービス)』、さまざまな産業でITを活用して新たなビジネスを創出する『○○テック』の分野は今後さらに成長が見込めます。それゆえ、新たなポジションやミッションを任される可能性が高いでしょう」

「ベンチャー企業の採用では一部の専門職を除き、以前の業種・職種を問われないケースも多いので、これまで縁のなかった業界にも積極的にチャレンジしてほしいですね。成長産業では会社全体として業務量が多く、かつ増加傾向にあるため、年齢に関係なく大きな仕事を任されたり重要なポジションについたりする機会があり、成長できるチャンスが豊富です。成長産業で第一人者としてキャリアを積めば、先々の転職などを含め、自身のキャリア競争力を高めることができます」

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