ポルシェ・カイエン クーペ 納得のパンチ力と操縦性

2020/5/3
スポーツカーのような味付けのSUV「ポルシェ・カイエン クーペ」の乗り味とは(写真:郡大二郎、以下同)
スポーツカーのような味付けのSUV「ポルシェ・カイエン クーペ」の乗り味とは(写真:郡大二郎、以下同)
webCG

「ポルシェ・カイエン クーペ」に試乗。他ブランドではすでにおなじみとなっているデザインコンシャスなSUVだが、ポルシェの仕事を侮ってはいけない。外観だけでなく、走りの性能にも「カイエン」とは異なるクーペらしい味つけが施されているのだ。

満を持して登場したクーペ

思い返せば、「まさかあのポルシェがSUV!?」と世界を驚かせた初代カイエンのデビューは2002年だった。ポルシェが少量スポーツカーブランドから脱皮できた(ことを、さみしく思う好事家もおられるだろうが……)のはカイエンのおかげであり、同時に今やランボルギーニやアストンマーティンまでがSUVを手がけるキッカケをつくったのもカイエンである。初代カイエンはそれくらい画期的だった。

いっぽう、カイエン クーペは競合車に対して、明らかに後発である。このジャンルの元祖はご想像のとおり「BMW X6」だが、カイエン クーペは「メルセデス・ベンツGLEクーペ」や「アウディQ8」にも先を越されている。

初代X6の発売は2008年だったから「こんなイロモノ(失礼!)が本当に売れるのか!?」という一定の経過観察期間があったとしても、2010~2018年に生産された2代目に、途中追加することは不可能でなかっただろう。しかし、実際にはポルシェは2代目カイエンに突貫工事で追加することはせず、企画初期段階からクーペを想定して設計・デザインされた3代目で、ついにクーペの登場となったわけだ。

というわけで、カイエン初のクーペはフロントセクションをクーペではない普通の“カイエン”と基本的に共用しつつも、全高にして20mm低くされた専用キャビンはAピラーの傾斜角は約1度、さらに寝かされているという。

Cピラーもカイエンと比較すると強く前傾していて、そこがカイエン クーペのデザイン上のキモとなっている。ただ、これはビジュアル上の工夫によるところも大きい。細かく観察すると、クーペでは標準装備となるパノラマガラスルーフが、わずかにサイドまで回り込むことでCピラー形状をファストバック風に整えて、実際以上に前傾して見せていることが分かる。ガラスルーフが嫌ならオプションでカーボンルーフも選択可能だそうだが、いずれにしてもルーフは車体とは別色となる。

今回のテスト車は「カイエン クーペ」のベーシックグレード。車両本体価格1135万6481円に、およそ250万円分のオプションが装着されていた
ベーシックな「カイエン クーペ」のパワーユニットは最高出力340PS、最大トルク450N・mの3リッターV6ターボエンジン。最大トルクを1340-5300rpmもの広範囲で発生するのが特徴だ

漂う911感

……と説明されても、骨格設計時から想定されたゆえにまとまりが良すぎるのか、写真では普通のカイエンと区別がつきにくいのも事実。ただ、ポルシェ ジャパンの駐車場でクーペとカイエンを並べてみると、クーペのほうが明らかにスポーツカー的なたたずまいである。

それは前記のキャビンの低さや形状だけでなく、クーペ専用に拡幅されたヒップラインの効果が大きいように思える。カイエン クーペではリアドアとリアフェンダーも専用デザインとなっており、最大部分でカイエンより18mm拡幅されているという。この幅広ヒップとファストバック風Cピラーとの相乗効果で、カイエン クーペにはカイエンにはない“911感”が醸し出されているのだ。

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