AIの旗手・プリファードがめざす未来 2トップが語る紀伊国屋書店大手町ビル店

ビジネス書コーナーの平台に3冊並べて面陳列する(紀伊国屋書店大手町ビル店)
ビジネス書コーナーの平台に3冊並べて面陳列する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店に戻る。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務の広がりで、中心オフィス街の人出は少なく、来店客も本の動きも大きくその量を減らしている。そんな中、好調な出足をみせていたのは、人工知能(AI)ベンチャーの雄、プリファードネットワークス(PFN)の共同創業者2人が自社が何を考え、何をしているかを一般の読者に向けて明らかにした本だった。

AIビジネスのキープレーヤー自らが語る

その本は西川徹・岡野原大輔『Learn or Die 死ぬ気で学べ』(KADOKAWA)。著者の2人はともにPFNの共同創業者で、西川氏が社長、岡野原氏が副社長を務める。トヨタ自動車やファナック、中外製薬など名だたる大企業と資本業務提携を結び、その研究開発力で日本のAIビジネスのキープレーヤーとして存在感を示すPFN。「我々は、技術によって今日の課題を解決するだけでなく、新しい未来を創り出していきたい。我々がどんな未来を創り出したいと考えているのか、ぜひ多くの人たちに理解してほしい」。これが本書執筆の狙いだ。

全体は2人が分担執筆する8つの章で構成される。PFNとは何かを圧縮して伝えた概要が第1章、2章と3章は起業から今日まで経緯をたどる。ここまでが西川氏の執筆。第4章と5章が岡野原氏の執筆で、行動規範と同社の中核技術である深層学習について深掘りする。6、7章で西川氏が組織開発、資本政策について話し、8章は2人で「目指す未来」を語る。

パーソナルロボット実用化が焦点

深層学習というAIの中核技術の可能性、そこから見えてくる未来図に胸が躍る。いま同社がフォーカスしているのはパーソナルロボット。「料理の手伝いや配膳、片付け、洗濯、折り畳み、収納、見守り、一緒に遊ぶなど、様々な応用ができるようになる」。「あらゆるところにロボットが存在する世界を切り拓いていきたい」と西川氏はその思いを書きつける。AIやその中核技術の深層学習を実用化しビジネスにする地点をきちんと視野に捉えながら語っているのが、本書の魅力だ。

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