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マツダSUV「CX-8」 意のままに操れる心地よさ

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さらなる高みを目指し、発売後も惜しみなく製品の改良を続けるというマツダ。その基本方針と車両の進化を確かめるべく、3列シートSUV「CX-8」の最新モデルに試乗した。販売の半数以上を占めるというディーゼルモデルの印象を報告する。

クルマづくりの錦の御旗

マツダの3列シートSUV、CX-8の改良最新モデルは、2019年10月に開催された第46回東京モーターショー2019で初公開された。例によってその変更内容はといえば、パッと見で気づくような分かりやすいものではなく、これは随時こまごまとしたアップデートを行い、クルマを熟成させ続けるという最近のマツダが掲げる"クルマづくりの錦の御旗"のもとに実施されている。

そんな変更ポイントの中でも比較的大きなニュースとなるのがAWD車に新開発の「オフロードトラクションアシスト(OTA)」が搭載されたことだ。この電子デバイスの採用は新型クロスオーバー「CX-30」に続くもの。OTA自体は今や特別なものではない。

簡単に説明すれば、OTAは横滑り防止装置や「G-ベクタリングコントロール プラス」にも使用されている4輪独立ブレーキ制御を応用した技術。低グリップ路やオフロードなどでどこかのタイヤが空転してしまった場合、そのタイヤにのみブレーキをかけグリップ力が確保されている残りのタイヤにエンジントルクを配分、悪路からの脱出をサポートするシステムである。

つまり、多くのユーザーにとっては日常的に使用する類いの装備ではない。がれ場や雪道などの過酷な状況下でありがちな、タイヤがハマり思わず涙目になってしまいそうなシチュエーションで活躍する、いわば緊急脱出機構である。ちなみにOTAの起動は、ダッシュボード右下に備わるスイッチを押して行う。

あいにく今回はFF車のオンロード試乗のみであったためその実力を味わうには至っていないが、転ばぬ先のつえ、スタック前にOTAで、もしもの時に安心である。既存技術の流用でありさして珍しいものではないとはいえ、一度でも雪道で、いやもちろん林道でも河原でも同じだが、そうした絶体絶命のシーンに直面したことがある人なら、ありがたくも心強いバカにできないデバイスであることはおわかりのはずだ。

サブトランクの容量もアップ

改良部分の紹介を続けると、インテリアにもいくつかの変更ポイントが確認できる。マツダは神経質なほどにノイズ・バイブレーション・ハーシュネスの、いわゆるNVH撲滅に腐心しており、今回の改良では塗布型制振材の採用により雨粒がルーフをたたくことで発生する騒音を低減させたという。これは騒音対策ももちろんのことながら、ルーフの微振動によるドラミングノイズの低減にも効果が期待できそうだ。

「Lパッケージ」の7人乗り2列目ベンチシートにはワンタッチウオークイン機構が組み込まれたほか、「Sパッケージ」とLパッケージにナッパレザー素材を採用したウオークスルータイプのキャプテンシートも設定されている。3列シートを備えるCX-8を即座にミニバンの代わりとしてオススメはしないが、見た目や「SUVの3列目」というイメージから想像するほど使えないシロモノでないことは確か。あればあったに越したことはない。

そうしたシートの後方に位置する荷室の容量も拡大している。これは主にサブトランク内部の形状変更によって実現したもの。オプション設定のボーズサウンドシステムが装着されない車両は65リッターから84リッターに、ボーズサウンドシステム装着車は48リッターから56リッターにそれぞれ容量がアップしている。

そのほかこまごまとした装備もアップデートされているがそれば別の記事に明るいのでそちらをご覧いただくとして、コックピットに乗り込むと、まずは「CX-5」と変わらないなという印象を抱く。もちろんこれは「いい意味で」である。シートは電動、ステアリングホイールにはテレスコピック調整機構が備わり、標準的な体形のドライバーであればストレスなく好みのポジションに調整できる。

ナローな全幅も街中で有利

ドラポジがしっくりこないクルマは、どんな高級車やスーパーカーであっても、車両との一体感が希薄になり、それは大げさに言えば運転する楽しみをスポイルする。まずはドライバーと車両の一体感をドラポジで図るというのは基本のキ。綿々とスポーツカーをつくり続けてきたマツダのこだわりといえそうなこの部分には、共感を覚える。さらに言えば、ステアリングに対して真っすぐに座れ、両足を伸ばした先にアクセルペダル(右足)とフットレスト(左足)が自然に配置されている。言葉にすればたったこれだけの話だが、そうでないクルマが現実に多い中で、CX-8やCX-5のドラポジは秀逸である。

こうした好印象は走りだしても続く。ただし、期待以上に速くはなく、がっかりするほど遅くもない。試乗車に搭載されていた最高出力190PS、最大トルク450N・mの2.2リッター直4ディーゼルターボエンジンは以前その印象を紹介したのと変わらず、至ってまともな動力性能だ。450N・mという数値から想像すれば、シートバックに体が押し付けられるようなスパイスの効いた加速を味わいたくなるが、そこは1800kgオーバーの車重であり、結果ジェントルな動きに終始する。もちろんこれもいい意味で、である。

街中を流しているようなシーンでは、誤解を恐れずに言えば「CX-5とほとんど変わらない身のこなし」だ。ホイールベースは230mmもこちらのほうが長い2930mmなのだが、狭い路地の曲がり比べでもしない限り、その差を意識することはなさそうだ。これには1840mmというこのクラスにしてはナローな、CX-5と同一となる全幅も有利に働いている。ちなみに最小回転半径はCX-5が5.5mであるの対して、こちらは5.8mである。

乗り心地に優れているのもCX-8の美点だ。試乗車のタイヤは225/55R19サイズの「トーヨータイヤ・プロクセスR46」で、CX-8およびCX-5専用のOEタイヤである。路面の継ぎ目や段差に差し掛かっても、首筋にグッと力を入れることなく軽い当たりで乗り越えることができ、同時に総じてロードノイズが少なめなのもいい。CX-8の穏やかでありながら正確なハンドリングに、マツダ自慢のG-ベクタリングコントロールと、それにチューニングを合わせたこのタイヤが貢献していると想像できる。

自然にコックピットに溶けこめる

しかし、挙動が穏やかだからといってCX-8の走りがつまらないわけではない。ここで、先に述べたドラポジが効いてくる。自分自身に置き換えれば、ステアリングを通じて手のひらで前輪を、シートを通じてお尻で後輪の動きを感じ取ればクルマの挙動が分かりやすいと、かつてラリーやグループAレースで名をはせた尊敬するジャーナリストに教わった(実際はそんな丁寧なものではなく、ケツのセンサーをしっかり使え! だった)が、CX-8は意識せずとも走行情報が光ファイバー並みの大容量とスピードで確実に伝わってくる。乗っていて印象付けられるクルマとの一体感は、ライバルと目されるSUVよりも濃密だと思えるのだ。

下半身(シャシー)と上半身(ボディー)の動きにタイムラグはない。ボディーの上下動は小さいものではないが、収束は早く、それの動きをしなやかだと表現してもよさそうだ。自分がクルマの一部になったように、自然にコックピットに溶けこめるこの感覚は、ひとまわり以上小さなボディーサイズのクルマを運転しているときのそれに近い。

DセグメントのSUVやクロスオーバーモデルでは、しばしの販売休止から復活するという同じような歴史を歩んだ「トヨタRAV4」と「ホンダCR-V」の存在も無視できない。日本はもちろんのこと、北米市場でもこれらは、ガチの勝負を繰り広げている。CX-8やCX-5にはあいにく見た目にもわかりやすいタフさやラギッド感はなく、ハイブリッドパワーユニットのような今っぽさもない。上質さを狙うあまり個性派のライバルに比べ地味な印象ではあるが、"いいもの感"は漂っている。

CX-8をドライブすると運転のしやすさに感心するとともに、かつて好んで使用していた「アクセルで曲がる」という表現を思い出す。2930mmのホイールベースも、SUVらしい高い車高も気にすることなく"意のまま感"を強く感じるからだ。それをスポーティーという言葉でくくるのは気が引けるし安易だとも思うが、適当な表現が見つからない。ただ言えるのは、スポーツカー卒業生のベテランにもこの走りは、ちょうどいいあんばいだということである。

(ライター 櫻井健一)

テスト車のデータ


ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4900×1840×1730mm
ホイールベース:2930mm
車重:1840kg
駆動方式:FF
エンジン:2.2リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ
トランスミッション:6段AT
最高出力:190PS(140kW)/4500rpm
最大トルク:450N・m(45.9kgf・m)/2000rpm
タイヤ:(前)225/55R19 99V/(後)225/55R19 99V(トーヨータイヤ・プロクセスR46)
燃費:15.8km/リッター(WLTCモード)
価格:399万9600円/テスト車=403万2600円
オプション装備:ボディーカラー<スノーフレイクホワイトパールマイカ>(3万3000円)

[webCG 2020年3月30日の記事を再構成]

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