2020/4/4

いきいき職場のつくり方

別のIT企業に勤める24歳男性の事例です。

入社から半年ほどで、不眠に悩まされるようになり、たびたび腹痛に襲われるようになりました。内科を受診して薬を服用しても腹痛が続き、遅刻や欠勤が目立つようになります。このため、上司の勧めで産業医と面談することになりました。

任される仕事が徐々に増え、対応できなくなってきていたそうです。職場には相談はおろか雑談できる相手もおらず、一人で抱え込むようになっていました。「みんながやっているのに、自分だけできずに申し訳ないと思い、言い出しづらかった」というのです。上司から「大丈夫か」と聞かれた際にも「大丈夫です」と答えてしまったものの、実際はきつかったといいます。

当面は主治医である内科医の指示に従って焦らず休養するよう、産業医は指示しました。

セルフケアとラインケア

職場のメンタルケアで大切なのは社員が自分自身で行う「セルフケア」と上司や同僚による「ラインケア」です。

まずは、自分で自身の変調に気づき、ストレスをコントロールするセルフケアです。心や体などにいつもとは異なる不調に気づいたら、早めに周囲に相談することです。仕事が負荷となっているのなら、同僚や先輩、上司に相談してみましょう。会社の産業医に相談するのもよいでしょう。上司との関係に悩んでいるのなら、産業医を介して上司に話を伝えることもできます。

ラインケアでは上司や同僚が本人の体調不良に早めに気づいてあげることと、そしてどのようにサポートするかが重要となります。とりわけ大切なのが上司による配慮。仕事が忙しくても部下の話をきちんと聞くことが必要です。

この際、耳を傾けることを心がけ、自分が一方的に話すことのないように注意してください。体調がいい状態で、時間かけて話を聞くことが大切です。自身が疲れていると、きつい言葉を投げかけてしまったり、語気を荒らげてしまったりする場合があります。自分のやり方を押しつけず、相手を尊重する姿勢を忘れないでください。

※紹介した事例は個人を特定できないように一部を変更しています。

植田尚樹
1989年日本大学医学部卒、同精神科入局。96年同大大学院にて博士号取得(精神医学)。2001年茗荷谷駅前医院開業。06年駿河台日大病院・日大医学部精神科兼任講師。11年お茶の水女子大学非常勤講師。12年植田産業医労働衛生コンサルタント事務所開設。15年みんなの健康管理室合同会社代表社員。精神保健指定医。精神科専門医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


人事・労務・法務の基礎知識を身につける講座/日経ビジネススクール

働き方改革推進への対応から人材開発、社会保険の仕組みまで

>> 講座一覧はこちら