「若いって面白い」 オリックス宮内氏が学生にエール20代へ80代から伝言(3) 宮内義彦氏

僕は中学から関西学院に通いエスカレーター式で大学に進学したので、大学に入ってから自分があまり勉強していないことに気づいたんです。このままではだめだと思い、大学の勉強を一生懸命やった。英語ができたほうがいいと思って、英語の学校にも通った。グリークラブで合唱もしていて、あれこれやりすぎて結局、結核になってしまいました。

大学後半の2年間は、病気のせいで灰色の時期でした。でも、取り返しがつかないと思ったかというと、そうでもなかった。少し治ってきてからは読書ができたんです。学校の勉強とも関係ない本を山のように読んだのは、いまとなってはよかったな。

若い世代は物足りない? 「全然そんなことない」

上野 宮内さんは若いころ、人生の目標とか生きがいはどう考えていましたか。

宮内 「何のために生まれたのか?」そんなものは考えたことなかったな。とにかく何かが足りない、勉強しないといけないという知識欲があった。やっぱり生きている間に、少しでもいい人生を送りたいと思うでしょう。すると、努力することで自分も幸せになりたい、まわりも幸せにしたいと思うようになる。そうして徐々に視野が広がって、人生の経験に厚みが出てきて、できることが増えていく。思うとおりにいかないことも出てくるけれど、努力不足かなと考えるようになる。

上野 僕たちのような若い世代をみていて、物足りないと思われますか。

宮内 全然思わない。今の若い人たちは日本の有史以来、最も恵まれている世代ですからね。社会が成熟して、物質的にも豊かで、何よりも平和です。恵まれて育ったというのは、ほんとうに結構なことです。だから、それを土台に、いい社会をつくってほしいと思います。

上野 いい社会ってなんでしょう?

宮内 僕たちは戦争の中で生き延びてきた世代です。だから、まずは戦争がないこと。それが一番です。そして、気候変動に対処し、地球をつぶさないこと。それから、格差の是正に取り組んでいくことではないでしょうか。

若いというのは面白いですよ。こんなに楽しいことはない。可能性に満ちていて、間違ってもあとで軌道修正すればいい。若いときは若さがエンドレスに続くと思っているけど、後で考えたらその時間はほんの一瞬です。迷う年齢だけれど、まずは早いこと、今自分は何にエネルギーを注ぐのか、結論を出してそれに向かっていくのが一番だと思います。しっかり悩んで、決めてください。

対談後、二人にメッセージをはがきで贈りあってもらいました(了承を得て掲載しております)

(文・構成 藤原仁美)

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