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「若いって面白い」 オリックス宮内氏が学生にエール

20代へ80代から伝言(3) 宮内義彦氏

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NIKKEI STYLE

学生が各界のトップにインタビューする「学生×トップランナー」。特別編として、大学生が、大きく年の離れた80代と対話する「20代へ80代から伝言」シリーズをお届けします。長い経験に裏打ちされた知恵を次世代に継承する企画です。今回はオリックスのシニア・チェアマン、宮内義彦氏です。

オリックスのシニア・チェアマン、宮内義彦氏は、新しい金融手法であったリース業を日本に根付かせ、オリックスをグローバル企業に育て上げたほか、政府の規制改革会議の議長として「日本の不合理な規制」にも切り込んできた。80歳を超えた今も社会への鋭い提言は健在だ。東京大学在学中の上野匠海さんがインタビューした。

上野 僕は高校時代にダンスにのめり込み、ダンスで生きていこうといったん決めたのですが、「大学は出ておいたほうがいい」と周囲から説得され、受験勉強を頑張って1浪して東大に入りました。ダンスの道はまだあきらめていないので、休学してダンス留学をしたいとも考えています。でも両親には反対されてしまっており、ものすごく迷っています。

宮内 ダンス? 面白いね。プロとしてご飯を食べていけるレベルになって、やり通せるかを考えてみるといいのではないでしょうか。体を使うアスリート系の職業は、どうしてもまだ若いうちに年齢的なピークが来る。オリックス・バファローズでプロ野球の選手をずいぶん見てきているからよくわかります。あのイチロー選手だって、50歳まで現役を続けたいと言っていたけれど、結果的に45歳で引退した。それも体のメンテナンスに非常に気を遣い、並々ならぬ努力があってのことです。早い人だと22、23歳くらいで戦力外通告を受ける人もいるわけです。

僕はまず、どちらの道で生きていくかを決めるべきだと思います。心の片隅で「あれをやっておけばよかった」と後悔しながらほかのことをするのは、気持ちが中途半端になってよくありません。もちろん、決めたらその先にバラ色の未来が待っているとは限らず、決めた後でまた迷うこともあるでしょう。間違ったなと思うこともある。それが人生。でも、とにかくまずは「こっちにいこう」と決める。どっちつかずでいると、両方とも「アウト」になるでしょうね。天下のダンサーになろうと決めるなら、今を逃したらダンサーにはなれない。それは自分で決めないといけない。

上野 自分で決めるときに、たとえ間違っていても後悔しないと思えるくらいの自信があればいいんですけど、確固たる自信が持てないです。宮内さんは様々な決断をしてこられたと思うのですが、決断する胆力はどうやって身につけましたか。

単位取得のために勉強するな

宮内 確固たる自信をはじめから持っている人なんて、一人もいないと思いますよ。でも、決断するにはやはりある程度、判断するための材料は必要です。それは勉強であり経験。リスクを減らすだけの十分な蓄積がないと決められないでしょう。いろいろな人に話を聞き、自分で体験し、情報収集をし、考えることです。上野君の場合、休学制度を利用して、今はダンスに打ち込んでみる。そんなことも考えられますね。

上野 大学の勉強についても、モヤモヤしたまま1年が終わってしまいました。せっかく東大に入ったのに、単位が取りやすい授業の情報がながれてきたり、教授が板書するばかりの授業だったりで、入学前に思い描いていた大学の姿とずれを感じます。

宮内 大学時代は、とにかく勉強するときです。若いときにしかできないことがあるとしたら、それは勉強。一番効率よく知識が頭に入るのは若いときですから。日本の大学生の一番の問題は勉強しないことです。オリックスでは海外の大学生も新卒採用をしているのですが、たいてい日本人より優秀です。海外の大学では、4年間アルバイトする時間もないくらい、必死に勉強しますから。日本のように入学が難しく、卒業がやさしいなんておかしい。日本でいま一番変わらないといけないのは大学ですよ。大学が変われば高校も変わります。

上野 具体的には何を勉強しておくといいと思いますか。

宮内 昔は読み書きそろばんだったわけですが、今は一般論として英語と、ICTと言いますか、プログラミングだと思います。おそらく今の若い世代は、昔より学ばなければならないことがものすごく増えてきている。だから、これからの人たちは、学びの時間をもっともっと長く取らなければいけないでしょう。世界では大学院まで勉強することがスタンダードになっています。文系でも4年間大学に行けばOKという時代は終わったと思いますよ。

それとね、単位のために勉強する必要なんてない。自分のやりたい科目を受講していくべきです。みんなが普通と思っていることから外れることはおかしいことだ、などと考えなくていい。

僕は中学から関西学院に通いエスカレーター式で大学に進学したので、大学に入ってから自分があまり勉強していないことに気づいたんです。このままではだめだと思い、大学の勉強を一生懸命やった。英語ができたほうがいいと思って、英語の学校にも通った。グリークラブで合唱もしていて、あれこれやりすぎて結局、結核になってしまいました。

大学後半の2年間は、病気のせいで灰色の時期でした。でも、取り返しがつかないと思ったかというと、そうでもなかった。少し治ってきてからは読書ができたんです。学校の勉強とも関係ない本を山のように読んだのは、いまとなってはよかったな。

若い世代は物足りない? 「全然そんなことない」

上野 宮内さんは若いころ、人生の目標とか生きがいはどう考えていましたか。

宮内 「何のために生まれたのか?」そんなものは考えたことなかったな。とにかく何かが足りない、勉強しないといけないという知識欲があった。やっぱり生きている間に、少しでもいい人生を送りたいと思うでしょう。すると、努力することで自分も幸せになりたい、まわりも幸せにしたいと思うようになる。そうして徐々に視野が広がって、人生の経験に厚みが出てきて、できることが増えていく。思うとおりにいかないことも出てくるけれど、努力不足かなと考えるようになる。

上野 僕たちのような若い世代をみていて、物足りないと思われますか。

宮内 全然思わない。今の若い人たちは日本の有史以来、最も恵まれている世代ですからね。社会が成熟して、物質的にも豊かで、何よりも平和です。恵まれて育ったというのは、ほんとうに結構なことです。だから、それを土台に、いい社会をつくってほしいと思います。

上野 いい社会ってなんでしょう?

宮内 僕たちは戦争の中で生き延びてきた世代です。だから、まずは戦争がないこと。それが一番です。そして、気候変動に対処し、地球をつぶさないこと。それから、格差の是正に取り組んでいくことではないでしょうか。

若いというのは面白いですよ。こんなに楽しいことはない。可能性に満ちていて、間違ってもあとで軌道修正すればいい。若いときは若さがエンドレスに続くと思っているけど、後で考えたらその時間はほんの一瞬です。迷う年齢だけれど、まずは早いこと、今自分は何にエネルギーを注ぐのか、結論を出してそれに向かっていくのが一番だと思います。しっかり悩んで、決めてください。

(文・構成 藤原仁美)

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