マックおわび会見 赤いネクタイで通した原田氏の信念ゴンチャジャパン社長 原田泳幸氏(上)

――トップの服装はブランドイメージと密接に関わっていますか。

「そうでないといけないでしょうね。アップルのマッキントッシュのユーザーイメージは鼻ひげにジーンズ。ネクタイなんか締めたらお客さんになぐられそう(笑)。ミュージシャン、フォトグラファー、デザイナー、建築士。そういった世界の顧客が相手ですから」

記者会見のときは目的によって服装を変える

――ユーザーの感性が理解できるということを、トップ自ら服装で示すことが大切だと。

「ゴンチャのタピオカティーを支持しているのは若い女性です。主力商品は500円前後ですが、最近はもっと定着させるため一部商品を300円、350円(いずれも税別)で提供する学割をはじめました。そのようなビジネスをやっているのに、トップが1人高級ブランドに身を包んでいるのはおかしいでしょう。社員のライフスタイルともかけ離れたくありませんし」

――場によって装いのレイヤー(階層)があるのですか。

愛用するベルルッティの靴。ほっそりと見えるシルエットがお気に入りだ

「もちろん、業界のトップエグゼクティブが集まる場は英国屋といった格のあるスーツを着ますし、チーフにも凝ります。その日何があるかによって服装を考えるわけです。記者会見があるときは目的によって服装を変えますね。商品発表会のときはなるべく華やかにします。もっとも、アップルのときは商品のアンバサダー的な振る舞いを自らやっていたのですが、いまは商品を語るときには私を出すな、と社内で言っています。ゴンチャのイメージと私のビジュアルが合うわけがない」

――イメージに合わないとマイナスになる。

「そうです。外食企業のトップが商品を食べるシーンがよく紹介されますが、やめたらいいのに、と思うときがあります。広告宣伝だけでなく、店舗デザイン、ユニホーム、役員の振る舞い、全てが企業イメージに影響します。トップの服装ももちろんそうです。顧客との接点はすべてブランドで、トップのビジュアルもブランドですから」

――日本マクドナルドの社長時代、賞味期限切れ食材を使用した問題の会見で、赤いネクタイで臨んだことが批判されました。

マクドナルドの会見では連日、赤ネクタイで臨んだ(2007年11月27日)

「150人ほどの記者が集まり、強い目つきで辛辣な言葉を使って質問してきました。むかっとしましたけど、平静を保ちました。ここで頭を下げる映像がニュースで流れたら、全国のマクドナルドの売り上げが止まる。消費者は一瞬の映像、記事の見出しで判断するんです。業績を守り、ステークホルダーの価値を担保する、それが危機管理ですから、必要以上の謝罪はしない。したがって、映像で謝罪イメージを発信するのはやめると考え、頭は下げず、スーツには、あえて赤いネクタイを締めることにしました。原因を究明し、ここで報告しますと宣言して、後日も続けて会見しましたが、赤いネクタイで通しました」

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