甲子園で勝つチームは毎試合成長 アナロジー思考の力
第2回 アナロジー思考
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一番強いチームが優勝するとは限らない
3月19日から始まるはずだった選抜高校野球大会。紫紺の優勝旗を巡る熱い戦いを楽しみにしていた人には寂しい春となってしまいました。
以前から「甲子園で優勝するのは一番強いチームではない」という話がささやかれてきました。たしかに、優勝候補の筆頭に挙がっていたチームが、あえなく敗退するのを何度も目にしてきました。下馬評が高いチームが必ずしも勝つわけではないようです。
では、どんなチームが優勝旗を手にすることができるのでしょうか。それは「一戦一戦、強くなっていくチーム」だと言われています。甲子園という大舞台に来てから、「どれくらい成長するか?」が優勝の鍵を握っているというのです。
ビジネスでもまったく同じことが言えるのではないでしょうか。
新しくプロジェクトを立ち上げるに当たって、どんな精鋭メンバーを集めても、どれだけ周到に準備を重ねても、思うように仕事は進んではくれません。予期せぬ出来事が勃発したり、思わぬところで行き違いが生まれたり。「まさか!」「そんなばかな」と思うような困難の連続に、チームが瓦解しそうになることもあります。
そんな危機をみんなで乗り越えていく過程で、新たなアイデアや仕事のやり方が生まれ、チームの結束も高まっていきます。まさにピンチはチャンス。学習を通じて持続的に成長していくチームこそが、挑戦的な目標を達成することができるのです。
大阪商人の創意工夫の秘訣とは?
こんなふうに、高校野球ひとつとってみても、私たちビジネスパーソンが学ぶべき点がたくさんあります。これが今回紹介したい「アナロジー(類推)思考」です。
私たちは物事を考えるときに、何か手掛かりを求めようとします。まずは、ズバリ答えを教えてくれる直接的なヒントはないかと。
それで見つからなかったら、似たような事例や関連のある知識はないか、間接的に役立つヒントを探索し始めます。原理やメカニズムを応用しようと考えるのです。これがアナロジー思考です。