よりよい眠りへの一歩 「睡眠トラッカー」の実力は?「スリープテック」で快適な睡眠を(上)

睡眠に関心を持つ人が増えている。写真は低価格で人気のスマートウオッチ「Mi Band 4」
睡眠に関心を持つ人が増えている。写真は低価格で人気のスマートウオッチ「Mi Band 4」

ここ数年、世界的な「スリープテック」ブームが起こっている。スリープテックとは、よりよい睡眠を実現するためのテクノロジーのこと。睡眠状態の計測から入眠・起床サポート、さらには睡眠の質向上を図るための専用デバイスまで登場している。睡眠不足の人の多さで知られる日本人が待ち焦がれていたものかもしれない。

スリープテックの第一歩として関心が高いのが、睡眠状態を計測する「睡眠トラッカー」だ。睡眠時間だけでなく、睡眠の「質」をを可視化することが、よりよい睡眠実現、さらには日中のパフォーマンス向上につながる。スマートウオッチから専用デバイスまで、形状や仕組みも様々な睡眠トラッカー製品を紹介する。

そもそも睡眠の状態ってどう計測するの?

最初に知っておきたいのが睡眠状態の計測方法だ。まず「睡眠」と「覚醒」の2つの状態があり、それを検知することで睡眠時間や寝つくまでの時間、夜中に起きた回数などがわかる。そして睡眠にもいくつかの段階がある。大きく分けると浅い「レム睡眠」と深い「ノンレム睡眠」があり、ノンレム睡眠も深さによってさらに4段階にわけられる。

Fitbit専用アプリで見る睡眠データ。睡眠時間は短いものの深い睡眠はしっかりとれている

これが活動量計「Fitbit(フィットビット)」で計測したとある日の睡眠段階推移グラフだ。寝付いたあと、短時間で一気に「深い睡眠」に入り、その後1時間ほどでより浅い睡眠に移行、3時半すぎから朝方にかけては浅い睡眠とレム睡眠を繰り返し、目覚めへと続く。

睡眠の状態は身体の動き(体動)や心拍数、脳波などで計測する。腕に巻くリストバンド型の製品では、主として「心拍数」と「身体の動き」によって睡眠状態を測定している。枕元に置いて利用する機器やマットレス組み込みタイプの製品では腕の動きや寝返りといった身体の動きから睡眠状態を推測する。製品によっては、呼吸やいびきの音を計測し、それも睡眠状態判定の手掛かりにしている。

フィリップスの「スマートスリープ」

より本格的な製品では、「脳波」を測定して睡眠段階を検知するものもある。フィリップスが個人向けヘルステック製品として開発した「スマートスリープ」は頭部に装着するヘッドバンド型の製品で、2カ所のセンサーによって脳波を測定する。

同日の睡眠データ。左から「Fitbit」「Mi Band3」「スマートスリープ(脳波測定)」

睡眠段階の判定基準は各社・製品ごとに異なり、心拍数測定の精度にも差がある。例えば上記は同じ日に3つの製品を同時に使って就寝したときのグラフだが、「深い睡眠」の時間もすべて異なる。

ただ基準値の違いによる部分が大きいので、この差はあまり気にしなくてもいいだろう。同じ製品を毎日使い続ければ、日々の相対的な変化で自身の眠りの質を把握できる。

ここからは実際の製品を見ていこう。

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手軽にスマホアプリで睡眠トラッキング
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