とはいえ、成果を出さずにすぐに転職を繰り返すのも良くありません。20歳代の終わりで1回、30歳代後半から40歳代前半でもう1回。ここがピークになるつもりで頑張るというのが、多くの方にとって良い転職になるのではと思います。

もちろんこれを過ぎたとしても「学ぶ姿勢」さえもっていれば、まだまだ大丈夫です。世の中には60歳を過ぎて起業し、上場まで果たした人もいます。人生100年、楽しく働き世の中をより良くする一翼を担う実感が得られたならば、充実した人生といえるのではないでしょうか。

今こそ考えたい「40歳定年制」

日本企業ではかつては社内の異動(ローテーション)を通じてそのときに必要な知識やスキルを追加してくれる制度が機能していました。今は会社側にそのような形での人材育成の余裕がなくなってきており、むしろ即戦力を求めて外部人材に目を向けるようになりました。その際には、職務を明確にした専門人材として「ジョブ型」での雇用が広がっています。

終身雇用がもはや前提ではない時代、個人はどうすればよいのでしょうか? 一つの解として、東京大学の柳川範之教授は「40歳定年制」を提唱しています。

村上さんはキャリア戦略を考えるうえでまず会社を変える経験を勧める

「40歳定年制」を念頭におけば、一旦立ち止まって自身を振り返り、違う業種や会社にも目を向けることで、自身の強み・弱みを知り、弱みを補完するために必要なスキルもはっきりするでしょう。国や企業はこのようなスキルアップを応援することで、より労働市場が活性化し、ひいてはより経済が発展することにもつながるでしょう。

楽しくやりがいを感じられる働き方を実現するために、一度は「自分のキャリアの棚卸し」をしてみると良いでしょう。

増えるフリーランス、社員の独立支援をする会社も

内閣府が19年7月に公表した調査によると、フリーランスとして働く人の数は国内の就業者のうち約5%を占めているそうです。つまり「20人に1人はフリーランス(副業含む)」ですから、意外と多いという印象ではないでしょうか。

一方で、健康保険や社会保険、労働者としての権利保証などは終身雇用を前提に作られています。働き方改革が「より個々人が希望する働き方を柔軟に受け入れることで、社会全体の生産性をあげ、ひいては経済成長と個人の幸せを最大化する」ことだとすると、まだまだ制度面が遅れている状況です。

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